建物明渡請求の弁護士へのご相談はアクセルサーブ法律事務所へ

家賃を払わない入居者に出て行ってほしい不動産オーナー・管理会社の経営者の方へ。自社が所有する建物であっても、入居者に貸している以上、オーナー側の都合だけで一方的に退去させることはできません。ただし一定の事由があれば、明渡し(=入居者に出て行ってもらい、建物を返してもらうこと)を実現できる可能性があります。
この記事でわかることは、次の3つです。
- ①明渡請求ができる主なケース
- ②オーナー側がやってはいけない対応
- ③弁護士に依頼した場合の流れとメリット
当事務所(アクセルサーブ法律事務所)は不動産業界の法務に特化しており、オーナー側からの建物明渡請求にも豊富なサポート実績があります。
▼この記事のポイント
- 建物明渡請求を弁護士に依頼すれば、催告・解除通知から訴訟、強制執行まで、適法な手順を踏んで進められる。
- 入居者の重大な契約違反があるとき、または長期間の不在・連絡不能に加え賃料滞納や占有状況、契約内容から解除・終了が認められるときは、明渡請求ができる可能性がある。
- 賃料滞納を理由とする解除は3か月分程度が一つの目安とされることがあるが、法律上の一律の基準ではない。1か月程度の滞納では困難。
- 入居者の不在時に無断で鍵を換えたり、荷物を無断で処分したりすることは避けるべき(自力救済)。

弁護士 小澤 裕也
弁護士 小澤 裕也
アクセルサーブ法律事務所
代表弁護士
愛知県立一宮高校卒業
立教大学法学部卒業
明治大学法科大学院修了


建物明渡請求とは?
建物明渡請求とは、賃貸借契約の終了や解除などで建物を占有する権原がなくなった場合に、建物を占有している者へ明渡しを求める請求です。任意に明け渡さなければ、訴訟で勝訴判決などを取得したうえで、強制執行を申し立てます。
この記事では建物の借主を「入居者」と呼びます。事案によっては、転借人、同居人、無断占有者など、現に建物を占有している者も相手方に含まれます。
前提として、自分(自社)が所有する建物であっても、貸している以上、オーナー側の都合だけで入居者を一方的に出て行かせることはできません。
- 建物を適法に貸しても、その所有権は引き続きオーナーに帰属する
- 一方で入居者は、賃貸借契約に基づき建物を使用収益する権利を持ち、現に占有(=実際に建物を使い、支配している状態)している
そのため、適法な手続を経ずに入居者の占有を一方的に排除することはできません。日本では入居者の権利が借地借家法などの法律で手厚く保護されています。
とはいえ、家賃を長期間滞納する、重大な契約違反があるなど、義務を果たさない入居者まで守られるわけではありません。手順を踏めば、適法に退去させられる可能性があります。
建物明渡請求ができる主なケース
明渡請求ができる可能性があるのは、主に次の3つのケースです。
- 入居者の賃料滞納により、賃貸借契約の解除が認められる可能性があるとき
- 入居者の契約違反により、賃貸借契約の解除が認められる可能性があるとき
- 長期間の不在や連絡不能に加え、契約終了や占有状況を確認したうえで法的手続が必要となるとき
その前に、まず契約の種類を確認してください。普通建物賃貸借でオーナー側から更新拒絶や解約申入れをする場合は、原則として借地借家法上の通知期間を守るだけでなく、同法28条の「正当の事由」(=オーナー側から契約終了・立退きを求めるのに必要な、法律上の正当な理由)が必要です。
定期建物賃貸借や一時使用目的の建物賃貸借など、契約類型によって終了のルールは異なります。
入居者の賃料滞納により、賃貸借契約の解除が認められる可能性があるとき
オーナー側が何度も催告(=期限を切って正式に求めること)しても入居者が賃料を滞納する場合は、信頼関係が破壊されたと認められ、賃貸借契約を解除できる可能性があります。
賃料の支払は、入居者が守るべきもっとも重要な義務の1つだからです。解除が有効なら、建物明渡請求も認められる可能性があります。
ただし「賃料を〇か月分滞納したら解除できる」という絶対的な基準はありません。あなたの現場で言うと、督促しても入らない家賃が1か月分たまった程度では、信頼関係が破壊されたとまでは言えず、解除は困難でしょう。
【滞納の目安】賃料滞納を理由とする解除では、3か月分程度の滞納が一つの目安とされることがあります。ただし、これは法律上の一律の基準ではありません。
実際には、次の事情を総合して信頼関係が破壊されたといえるかを判断します。
- 滞納額、滞納期間、過去の支払状況
- 催告への対応、保証会社による代位弁済(=保証会社が代わりに支払うこと)の有無
- 賃貸借関係の経緯
入居者の契約違反により、賃貸借契約の解除が認められる可能性があるとき
賃料の滞納以外の契約違反でも、解除が認められる可能性があります。たとえば次のケースです。
- 居住用として賃借したのに、無断で宿泊サービスに利用している
- 無断転貸・第三者使用にあたる
- 契約書で禁止されているのに、無断でペットを飼育している
もっとも、契約違反があれば常に解除できるわけではありません。違反の内容・期間・程度、近隣への影響、原状回復の可能性、催告後の対応などを踏まえ、信頼関係が破壊されたといえるかを検討します。
長期間の不在や連絡不能に加え、契約終了や占有状況を確認したうえで法的手続が必要となるとき
長期間連絡が取れないというだけで、直ちに契約を解除できるとは限りません。家賃が滞納されたまま入居者と連絡がとれなくなったら、まず次の点を確認します。
- 郵便物の状況、近隣住民からの聞き取り、現地状況
- 家財の残置状況、ライフラインの使用状況
- 賃料滞納の有無
これらを総合し、入居者が任意に退去したといえるのか、なお占有が残っているのかを慎重に検討します。そのうえで契約条項の有効性や適用可否を確認します。
解除の可否は、賃料滞納の有無や実際の居住状況、契約内容を踏まえて判断します。必要に応じて、解除通知を送付しての交渉を試みるか、訴訟を提起するか、などの法的手続を選択します。
建物明渡請求でオーナー側がやってはいけないこと
入居者に契約違反があっても、オーナー側が何をしてもよいわけではありません。対応を誤ると、入居者側から損害賠償請求をされたり、場合によっては刑事告訴されたりします。やってはいけない主な対応は次の3つです。
- 入居者の不在時に無断で鍵を換えること
- 入居者の荷物を無断で処分すること
- 深夜や早朝に何度も訪問したり、職場に何度も電話をかけたりすること
入居者の不在時に無断で鍵を換えること
たとえ賃料滞納などの契約違反があり、賃貸借契約を解除したと考えられる場合であっても、入居者に無断で鍵を換えて建物に入れない状態にすることは、原則として避けるべきです。確定判決や和解調書などの債務名義(=強制執行をするために必要な、判決・和解調書などの裁判所の公的文書)に基づく強制執行等の、適法な手続を経ていないからです。
このような行為は「自力救済」と呼ばれ、緊急やむを得ない極めて例外的な事情がない限り、原則として違法です。任意交渉で解決しない場合は、訴訟や強制執行などの法的手続で明渡しを実現する必要があります。
入居者の荷物を無断で処分すること
入居者の荷物を無断で搬出・処分することも避けてください。賃貸借契約を解除したと考えられる場合や、契約書に残置物処分の条項がある場合でも同じです。入居者の占有や所有物が残っている以上、オーナー側が一方的に荷物を処分することは原則として避けるべきです。
【刑事責任が問題になることも】無断処分は、不法行為として損害賠償責任を生じさせる可能性があるほか、態様によっては器物損壊等罪(刑法261条)や住居侵入等罪(同130条)などが問題となる可能性があります。
深夜や早朝に何度も訪問したり職場に何度も電話をかけたりすること
督促のやり方にも注意が必要です。深夜や早朝の繰り返しの訪問、勤務先への執拗な連絡、威圧的な言動など、社会通念上相当な範囲を超える督促を行うと、態様によっては不法行為として損害賠償責任を負う可能性があります。
賃料の督促は、日時、頻度、方法、内容を記録し、相当な方法で行うことが重要です。
鍵の交換や荷物の処分に踏み切る前に、一度ご相談ください。アクセルサーブ法律事務所は不動産・建設業界の法務に特化し、オーナー側からの建物明渡請求を数多くサポートしています。


弁護士に依頼して建物明渡請求をする主な流れ
弁護士に依頼した場合の一般的な流れは、次のとおりです。
- 現状を把握し資料を取りまとめる
- 弁護士に相談する
- 弁護士から催告し、必要に応じて解除通知を行う
- 建物明渡請求訴訟を提起する
- 判決、和解調書などの債務名義を取得する
- 建物明渡しの強制執行を申し立てる
現状を把握し資料を取りまとめる
はじめに、現状を把握して資料を取りまとめます。立ち退いてほしい理由が家賃の滞納なら、入金記録、賃貸借契約書、支払いを催告した記録が該当します。滞納と入金を繰り返している入居者であれば、時系列をメモにまとめておくとよいでしょう。
弁護士に相談する
取りまとめた資料をもとに、不動産法務に強い弁護士へ相談します。状況に応じた具体的な対処法が把握できます。
建物の明渡しをご希望の際は、アクセルサーブ法律事務所までご相談ください。当事務所は不動産・建設業界の法務を重点的に取り扱い、具体的な事情を丁寧に確認したうえで実務的なサポートの提供に努めています。


弁護士から催告し、必要に応じて解除通知を行う
正式に依頼したら、状況に応じて弁護士から入居者へ催告し、相当な期間を定めて賃料の支払いや契約違反の是正を求めます。期間内に履行や是正がされない場合、次の点を踏まえて解除通知を行うかどうかを判断します。
- 民法541条、542条の要件
- 賃貸借契約の条項
- 信頼関係破壊の有無
解除は相手方に対する意思表示です。通知の到達や立証方法にも注意が必要です。
なお、違反の内容、契約書の記載、これまでの催告状況、入居者の対応などによっては、改めて催告をせずに解除通知を行うことも検討できます。ただし無催告解除(=催告なしの解除)は常に認められるものではなく、民法542条の要件や信頼関係破壊の有無を慎重に判断します。
この段階で相手方が自ら退去すれば、訴訟に至らず解決です。
建物明渡請求訴訟を提起する
賃貸借契約を解除したものの、相手方が任意に建物を明け渡さない場合には、建物明渡請求訴訟を提起します。
判決、和解調書などの債務名義を取得する
入居者が解除に反論しなかった場合や、反論されても裁判所が解除を相当と認めた場合には、明渡しを認める旨の判決が出されます。判決を待たず、建物を明け渡す旨の和解が成立することもあります。
建物明渡しの強制執行を申し立てる
判決が下ったのに、所定の期日までに入居者が建物を明け渡さない場合もあります。この場合であっても、入居者の荷物を無断で運び出してはいけません。改めて建物明渡し強制執行を申し立てます。
- 申立てが受理されると、執行官が明渡催告を行い、明渡期限や断行予定日が定められる
- 期限までに任意の明渡しがない場合、執行官が債務者の占有を解いて債権者に占有を取得させる方法で、強制執行を実施する
- 室内の動産は、執行官の指揮のもとで搬出、引渡し、売却、保管などの処理が行われる(運送業者や鍵業者などの執行補助者が関与することがある)
建物明渡請求を弁護士に依頼する主なメリット
弁護士に依頼する主なメリットは、次の3つです。
- 適法な手順を踏んだ明渡請求が可能となる
- 入居者側とのやり取りを弁護士に任せられる
- 訴訟や強制執行も任せられる
適法な手順を踏んだ明渡請求が可能となる
1つ目は、適法な手順を踏んだ明渡請求ができることです。明渡請求は、手順を1つずつ踏まなければなりません。手順を誤ると、明渡しが実現できなくなったり、入居者側から損害賠償請求などの法的措置をとられたりする可能性があります。
入居者側とのやり取りを弁護士に任せられる
2つ目は、入居者側との交渉や通知の窓口を弁護士に任せられるため、オーナー様が直接対応する負担を大きく減らせることです。業務が忙しい場合や、契約違反をする入居者と直接連絡を取ることに不安がある場合に有効です。
もっとも、事実確認、資料提供、現地確認、管理会社との連携、強制執行時の対応などには、オーナー様や管理会社の協力が必要となることがあります。
訴訟や強制執行も任せられる
3つ目は、訴訟や強制執行も任せられることです。入居者側が任意に応じない場合はこの手続きで解決を図りますが、自分(自社)だけで行うのは容易ではありません。
弁護士に依頼すれば、訴訟や強制執行の申立てなど、建物の明渡しを受けるために必要な法的手続について、代理・助言・書面作成などのサポートを受けられます。実際の強制執行では、執行官、執行補助者、管理会社、オーナー様側の関係者と連携しながら進めます。
建物明渡請求を依頼できる弁護士ならアクセルサーブ法律事務所へご相談ください
建物明渡請求を依頼できる弁護士をお探しの際は、アクセルサーブ法律事務所までご相談ください。当事務所の主な特徴は次の3点です。
- 不動産・建設業界の法務に特化している
- 予防法務に力を入れている
- 実践的なアドバイスを得意としている
不動産・建設業界の法務に特化している
アクセルサーブ法律事務所は、不動産・建設業界の法務に特化しています。建物明渡請求についても豊富な実績があり、状況に応じた的確なサポートを提供できます。
予防法務に力を入れている
建物を賃貸している以上、入居者とのトラブルをゼロにするのは困難です。しかし、事前の対策で防げるトラブルも少なくありません。
アクセルサーブ法律事務所は「助け合い、称え合い、共に成長し、喜び合う―それが当たり前の世界を創る」ことを最終的なゴールに設定しており、トラブルを未然に防ぐ「予防法務」に力を入れています。
実践的なアドバイスを得意としている
法的な正しさだけを説かれても、実現が難しく机上の空論になりかねません。アクセルサーブ法律事務所は、不動産業界の経営実態を深く理解した上で、経営的な望ましさも踏まえた、より実践的なアドバイスを提供しています。


建物明渡請求に関するよくある質問
最後に、よくある質問を2つ紹介します。
家賃を1か月滞納しただけで、入居者に退去を求められる?
家賃を1か月滞納しただけの入居者を、これだけを理由に退去させるのは困難でしょう。
解除や明渡請求が認められるのは、契約違反が信頼関係を破壊する程度のときです。家賃を1か月程度滞納しただけでは、そこまでとは言えません。
とはいえ、「〇か月滞納すれば解除できる」などの一律の規定はありません。自己判断で諦める前に、まずはアクセルサーブ法律事務所までご相談ください。
建物明渡請求を弁護士に依頼する場合の費用はどのくらい?
費用は、事務所ごとの報酬基準や事案の難易度によって異なります。一般的には、依頼時に着手金が発生し、任意退去、和解成立、判決取得、強制執行完了など、一定の成果が生じた時点で報酬金が発生する報酬体系が多く見られます。
【弁護士費用のほかに実費がかかります】訴訟や強制執行を行う場合、収入印紙、郵便切手、予納金、執行官費用、執行補助者費用、鍵交換費用、動産の搬出・保管費用などの実費が発生することがあります。総額は事案によって異なるため、依頼前に見積もりと費用発生のタイミングを確認することが重要です。
まとめ
建物明渡請求は、賃貸借契約の解除、期間満了、合意終了、定期建物賃貸借の終了、占有権原の不存在などを理由として、建物を占有している者に明渡しを求める請求です。賃料滞納や重大な契約違反がある場合には、解除の有効性を慎重に検討したうえで、任意交渉、訴訟、強制執行などの手続を進めます。
入居者に契約違反があるとしても、無断で鍵を換えたり荷物を無断で運び出したりする自力救済は行うべきではありません。明渡しを求める事情がある際は、早期に弁護士へ相談し、状況に応じた対処法を検討することをおすすめします。
アクセルサーブ法律事務所は不動産・建設業界の法務に特化しており、建物明渡請求について豊富なサポート実績があります。入居者に建物を明渡してほしいとご希望の際は、アクセルサーブ法律事務所までお早めにご相談ください。




