工事請負契約書の弁護士への作成・レビュー依頼ならアクセルサーブ法律事務所へ

工事請負契約書を作る・チェックする建設会社の社長・役員の方へ。中身を理解しないまま流用したひな型は、追加工事や工期の遅れが起きたときに自社を守りません。
この記事でわかることは、次の3点です。
- 工事請負契約書をいつ取り交わすのか
- 契約書を見るときの3つのチェックポイント
- 作成・レビューを弁護士に依頼するメリット
一言でいえば、建設業法19条1項の法定記載事項を押さえたうえで、自社の契約実態に合わせて作り込むことです。
当事務所(アクセルサーブ法律事務所)は建設業界の法務に特化しており、工事請負契約書の作成やレビューについても豊富な実績を有しています。
▼この記事のポイント
- 工事請負契約書の作成・レビューを弁護士に依頼すると、建設業法19条1項の法定記載事項を踏まえた、自社のひな型として使える契約書を整えやすい
- 建設工事の受発注では、建設業法19条1項に基づき、法定事項を記載した書面を作り、署名又は記名押印のうえ相互に交付する。要件を満たせば電子契約も可能
- 工事内容などを変更するときは、原則として追加・変更工事に着手する前に、変更契約書などの書面を取り交わす(建設業法19条2項)
- 契約書チェックの柱は、①必要な事項の記載、②追加・変更時の対応、③不可抗力による遅延時の対応の3つ

弁護士 小澤 裕也
弁護士 小澤 裕也
アクセルサーブ法律事務所
代表弁護士
愛知県立一宮高校卒業
立教大学法学部卒業
明治大学法科大学院修了
工事請負契約書とは?
工事請負契約書とは、工事の発注者と受注者が、工事の受発注に際して取り交わす契約書です。工事の内容や工事代金など、当事者が取り決めた内容を記載します。
この契約書は、法令を補充・具体化する重要な役割を果たします。ネットのひな型を理解しないまま流用せず、契約実態に即した内容に改訂して取り交わすべきです。
工事請負契約書を取り交わすべき場面
建設業法上、工事請負契約書を取り交わす主な場面は、次の2つです。
なお、請負契約は紙の書面のほか、電磁的措置(=電子契約などの方法)でも締結できます(建設業法19条3項、同法施行令・施行規則及び国土交通省ガイドラインの要件を満たす場合)。電子契約では次の点に注意します。
- 相手方の事前承諾を得ること
- 電磁的措置の種類・内容を明示すること
- 見読性・原本性・本人性・改ざん防止・保存性・出力可能性などを確保すること
工事請負契約を締結する場合
1つ目は、工事請負契約を締結する場面です(建設業法19条1項)。
工事請負契約書は施主と元請企業が取り交わすほか、元請企業と下請企業、下請企業と孫請企業など、「各発注者と受注者の間」でそれぞれ取り交わすのが原則です。
すでに締結した工事請負契約の内容を変更する場合
2つ目は、契約後に工事内容などを変更する場面です。原則として、追加・変更工事に着手する前に、変更内容を記載した変更契約書、変更合意書などの書面を作成し、署名又は記名押印のうえ相互に交付する必要があります(建設業法19条2項)。
着工前に内容が確定できない場合も、次を記載した書面を事前に取り交わし、確定後に遅滞なく変更契約等を行います。
- 追加工事の具体的な作業内容
- 契約変更の対象となること
- 契約変更等を行う時期
- 契約単価等
口頭で済ませると、後から「工事代金が増えるとは聞いていない」と支払いを拒まれかねません。変更が生じたら、改めて契約書を取り交わしましょう。
工事請負契約書の主なチェックポイント
契約書を作成・チェックする際の柱は、次の3つです。なお、工事請負契約書には他にも多くの注意点があります。作成やレビューの際は、弁護士への相談をおすすめします。
アクセルサーブ法律事務所は建設業界の法務に特化しており、豊富なサポート実績を有しています。工事請負契約書の作成やレビューを依頼できる弁護士をお探しの際は、アクセルサーブ法律事務所までご相談ください。
必要な事項が記載されているか
1つ目は、必要な事項の記載です。建設業法19条1項が定める記載事項は、次のとおりです。
- 工事内容
- 請負代金の額
- 工事着手の時期及び工事完成の時期
- 工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容
- 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
- 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があつた場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
- 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め
- 価格等の変動又は変更に基づく工事内容の変更又は請負代金の額の変更及びその額の算定方法に関する定め
- 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
- 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
- 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
- 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
- 工事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
- 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
- 契約に関する紛争の解決方法
- その他国土交通省令で定める事項
建設業法19条1項の各号に掲げられた事項について、その契約に該当する事項を漏れなく記載する必要があります。特に、工事内容、請負代金額、工期、支払時期・方法、設計変更・工事中止時の工期・代金・損害負担、不可抗力時の工期・損害負担、価格等の変動又は変更に基づく工事内容・請負代金額の変更及び算定方法、契約不適合責任、紛争解決方法などは、契約書レビュー時に重点的に確認すべき事項です。
工事の追加・変更が生じた場合の対応が明記されているか
2つ目は、工事の追加や変更が生じた際の対応です。契約後の追加・変更は少なくありません。口頭など簡易な方法で取り決めるとトラブルの原因になるため、契約書に対応を明記しておきましょう。
たとえば、「工事の追加・変更、工期の変更、資材価格等の変動その他請負代金又は工期に影響を及ぼす事由が生じた場合には、発注者及び受注者が協議のうえ、請負代金、工期、損害の負担及びその算定方法を変更契約書等で定める」旨の規定を入れることなどが検討できます。
不可抗力による工事の遅延などが生じた場合の対応が明記されているか
3つ目は、不可抗力(=大規模地震など、自社の落ち度とはいえない出来事)による遅延が生じた場合の対応です。遅延の原因で、責任の重さが変わります。
- 自社(受注者)の責めに帰すべき事由で工事が遅延し、引渡しが遅れた場合:契約の定めや損害の発生状況に応じて、発注者が遅延損害金や損害賠償を請求できることがある
- 受注者の責めに帰することができない不可抗力による場合:一般的には遅延損害金の支払義務が生じない可能性がある
あなたの現場で言うと、大規模地震なら不可抗力に該当する可能性が高い一方、「例年よりも雨が多かった」場合は判断に迷います。
そのため、契約書には「どのような場合が不可抗力にあたるのか」を可能な限り明記しておきましょう。あわせて次を決めておくと、遅延時の責任関係を判断しやすくなります。
- 不可抗力にあたる事由
- その場合の通知義務
- 工期延長
- 費用負担
- 損害負担
- 代金変更の協議方法
【明記しても、最後は個別判断です】
実際には、不可抗力事由と遅延との因果関係、影響の程度、当事者の回避・軽減措置、契約上の手続を踏んだか否かを踏まえ、個別に判断します。


工事請負契約書の作成方法
工事請負契約書の作成方法は、大きく次の3つです。
「建設工事標準請負契約約款」を参考に作成する
1つ目は、「建設工事標準請負契約約款」(=建設工事について、あらかじめ用意された契約に関する共通のルール)の活用です。国土交通省は、中央建設業審議会が作成した次の約款などを公表しています。
- 公共工事標準請負契約約款
- 民間建設工事標準請負契約約款(甲)
- 民間建設工事標準請負契約約款(乙)
- 建設工事標準下請契約約款
標準約款には、請負契約で一般的に問題となる事項が整理されています。ただし次の違いに応じ、個別案件に即した修正や追記が必要です。
- 工事の種類、公共工事・民間工事の別
- 発注者・受注者の立場、下請契約か否か
- 支払条件、設計変更、物価変動、不可抗力
- 契約不適合責任、紛争解決方法
標準約款はあくまで標準的な内容の一例であり、必ずしも契約実態に即しているとは限りません。契約自体と契約書の表記が異なる場合、「契約書の表記は誤りで、本当は別の内容で合意していた」という主張は通りにくいでしょう。
標準約款を用いるなら、内容を十分に理解したうえで、契約実態に即すように適宜作り変える必要があります。
自社で作成する
2つ目は、自社で一から作成する方法です。契約実態に即した内容にしやすくなる一方、建設業法、民法、独占禁止法、取適法その他の関係法令に違反しない範囲で、公正かつ実務上有効な条項設計を行う必要があります。
一から作るには、法律や契約への深い理解が欠かせません。法務部を持つ会社でなければ、ハードルは高いといえます。
弁護士に作成・レビューを依頼する
3つ目は、弁護士に作成やレビューを依頼する方法です。弁護士に作成してもらった契約書は、自社の標準書式として活用できる場合があります。ただし使う際は、案件ごとに次を確認し、必要な修正を行います。
- 工事内容、工期、代金額、支払条件
- 発注者・受注者の立場、元請・下請の別
- 設計変更・追加工事の可能性、物価変動、不可抗力
- 住宅・解体工事などの特別法の適用有無
工事請負契約書の作成・レビューを弁護士に依頼するメリット
工事請負契約書の作成やレビューは、建設工事の法務に詳しい弁護士に依頼すると有益です。主なメリットは、次の3つです。
法令に適合した契約書が作成できる
最低限記載すべき事項は、建設業法で定められています(建設業法19条1項)。弁護士に依頼すれば、法定記載事項を踏まえ、その契約に必要な事項を盛り込みやすくなり、建設業法の遵守につながります。
自社が発注者側になる場合は、建設業法上の次の規制にも注意が必要です。
- 不当に低い請負代金の禁止
- 著しく短い工期の禁止
- 不当な使用資材等の購入強制の禁止
なお、建設工事の再委託そのものには、原則として取適法は適用されません。ただし次の委託は、取引内容や当事者の規模により取適法の適用対象となる場合があります。
- 建設資材の製造委託
- 建築物の設計・内装設計・工事図面の作成委託
- 一定の運送委託
弁護士のサポートを受けることで、法令違反を避けるアドバイスを受けられ、知らずに法令違反をする事態も回避できます。
契約実態に即した契約書が作成できる
契約書の内容が契約実態に即していないと、契約書の表記が元でトラブルに発展します。弁護士に依頼すれば、契約実態に即した工事請負契約書を作成できます。
トラブルから「逆算」をして内容のアドバイスが受けられる
弁護士は、トラブルが発生してから関与することも少なくありません。その際に契約書を見て、「この条項が入っていれば、もっとスムーズに、自社に有利に解決できたのに」と感じることがあります。
作成やレビューを依頼すれば、こうした経験から望ましい条項のアドバイスを受けられます。その結果、トラブルの予防につながり、発生時もスムーズかつ自社に有利に解決できる可能性が高まります。


工事請負契約書の作成・レビューはアクセルサーブ法律事務所にお任せください
工事請負契約書の作成やレビューは、アクセルサーブ法律事務所にお任せください。当事務所の主な特徴は、次の3つです。
建設・不動産業界に特化している
アクセルサーブ法律事務所は、建設・不動産業界の法務に特化しています。業界で起きやすいトラブルを熟知しており、トラブルから「逆算」した的確な契約書の作成をサポートできます。
実践的なアドバイスを得意としている
弁護士に相談する際は、法的な正確性だけでなく、業界の取引実態や現場運用を踏まえた実践的なアドバイスを受けられるかも重要です。
アクセルサーブ法律事務所は、建設・不動産業界の経営実態を深く理解しています。机上の空論ではなく、より実践的なアドバイスを提供しています。
トラブルを未然に防ぐ「予防法務」に力を入れている
トラブルは、解決に至ったとしても多大な費用や時間を要します。精神的な負担も生じかねません。発生自体が不利益です。
アクセルサーブ法律事務所は「助け合い、称え合い、共に成長し、喜び合う―それが当たり前の世界を創る」ことを使命としており、これを実現するため、トラブルを未然に防ぐ「予防法務」に力を入れています。
工事請負契約書に関するよくある質問
最後に、工事請負契約書に関するよくある質問を2つ紹介します。
工事請負契約書に印紙は必要?
紙で作成した工事請負契約書が印紙税法上の課税文書(=印紙税がかかる文書)に該当する場合、原則として収入印紙を貼付します。ただし、次の場合は不要です。
- 契約金額が1万円未満のもの(非課税)
- 電子契約として電磁的記録のみで締結する場合(通常、印紙税は課税されない)
印紙の額は、契約書に記載された契約金額により、次のとおりとなっています。
■原則の税額(出典:No.7102 請負に関する契約書(国税庁))
| 記載された契約金額 | 税額 | |
| 1万円未満のもの | 非課税 | |
| 1万円以上 | 100万円以下のもの | 200円 |
| 100万円を超え | 200万円以下のもの | 400円 |
| 200万円を超え | 300万円以下のもの | 1,000円 |
| 300万円を超え | 500万円以下のもの | 2,000円 |
| 500万円を超え | 1,000万円以下のもの | 1万円 |
| 1,000万円を超え | 5,000万円以下のもの | 2万円 |
| 5,000万円を超え | 1億円以下のもの | 6万円 |
| 1億円を超え | 5億円以下のもの | 10万円 |
| 5億円を超え | 10億円以下のもの | 20万円 |
| 10億円を超え | 50億円以下のもの | 40万円 |
| 50億円を超えるもの | 60万円 | |
| 契約金額の記載のないもの | 200円 | |
(注)印紙税は、契約書に記載された内容により取扱いが異なりますのでご注意ください。
■軽減措置の適用後の税額(建設工事の請負に関する契約書)(出典:不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置(国税庁))
| 記載された契約金額 | 税額 | |
| 100万円を超え | 200万円以下のもの | 200円 |
| 200万円を超え | 300万円以下のもの | 500円 |
| 300万円を超え | 500万円以下のもの | 1千円 |
| 500万円を超え | 1,000万円以下のもの | 5千円 |
| 1,000万円を超え | 5,000万円以下のもの | 1万円 |
| 5,000万円を超え | 1億円以下のもの | 3万円 |
| 1億円を超え | 5億円以下のもの | 6万円 |
| 5億円を超え | 10億円以下のもの | 16万円 |
| 10億円を超え | 50億円以下のもの | 32万円 |
| 50億円を超えるもの | 48万円 | |
(注)建設工事の請負に関する契約書のうち、その契約書に記載された契約金額が100万円以下のものは、軽減措置の対象となりません(税額200円)。また、契約書に記載された契約金額が10,000円未満のものは非課税となります。
【軽減措置の期間に注意】
契約金額が100万円を超える建設工事の請負契約書は、2014年4月1日から2027年3月31日までに作成される場合、印紙税額の軽減措置が適用されます。100万円以下は対象外、1万円未満は非課税です。期間は延長される可能性もあるため、最新情報をご確認ください。
なお、電子契約とは別に、契約成立を証明する目的で紙の契約書、注文請書、変更契約書などを作成する場合は、その紙の文書が課税文書に該当するかを個別に確認してください。
少額の工事であれば工事請負契約書は必要ない?
少額の工事でも、建設業法19条に基づく書面交付、または適法な電磁的措置による契約内容の明確化が必要です。建設業法には、請負代金額が一定額以下なら書面交付義務が不要になる、という規定はありません。
少額の工事でも契約内容でもめる可能性はあります。契約金額に関わらず、工事請負契約書を締結すべきでしょう。
まとめ
建設工事を受発注する際は、建設業法19条1項に基づき、法定事項を記載した書面を相互に交付する必要があります。
工事内容、請負代金、工期、損害負担など法定記載事項に関わる変更が生じる場合も、原則として着工前に変更内容を記載した書面を作成し、相互に交付します。一定の要件を満たせば、電磁的措置により行うことも可能です。
国土交通省の標準約款を使う方法もあるものの、契約実態に即しているとは限りません。そのため、まずは弁護士に依頼して、自社のひな型となる工事請負契約書を作成してもらうとよいでしょう。
アクセルサーブ法律事務所は建設業界の法務に特化しており、建設業界の経営実態や生じやすいトラブルなども熟知しています。工事請負契約書の作成やレビューを依頼できる弁護士をお探しの際は、アクセルサーブ法律事務所までお気軽にご相談ください。



