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内装工事でトラブルが発生した場合の対応は?解決策・予防策を弁護士がわかりやすく解説

内装工事でトラブルが発生した場合の対応は?解決策・予防策を弁護士がわかりやすく解説

請け負った内装工事について、施主から「打ち合わせと違う」「仕上がりが雑だ」と言われている内装工事会社・建設会社の社長・役員の方へ。

この記事でわかることは3つです。

  • ①内装工事で起きやすいトラブルの型
  • ②起きた際の対処の流れ
  • ③避けるための予防策

相手の言い分に応じるべきかどうかは、契約書や仕様書などから決まる「契約内容」で判断します。言われるまま呑む必要はありません。

当事務所(アクセルサーブ法律事務所)は建設業界の法務を重点的に取り扱っており、内装工事に関するトラブルについてもご相談をお受けしています。

▼この記事のポイント

  • 内装工事のトラブルは、仕様違い・施工不良・追加工事・工事遅延・近隣苦情の5つに大きく分かれます。
  • 仕様違いや施工不良は「契約不適合」とされ、注文者から追完・報酬減額・損害賠償・契約解除を主張されることがあります。
  • 追加工事の代金は、着工前に工事内容と追加代金を書面などで明確にしていないと、後から支払いを拒まれます。
  • 工事遅延は、施工会社に落ち度がない事由によるものであれば、損害賠償責任は原則として否定されます。
この記事を書いた人

弁護士 小澤 裕也

弁護士 小澤 裕也

アクセルサーブ法律事務所
代表弁護士
愛知県立一宮高校卒業
立教大学法学部卒業
明治大学法科大学院修了

内装工事で生じやすい主なトラブル

内装工事で起きやすいトラブルは、主に次の5つです。

  • 完成形が打ち合わせ内容と異なるトラブル
  • 施工不良によるトラブル
  • 追加工事に関するトラブル
  • 工事遅延に関するトラブル
  • 騒音などに関する近隣トラブル

完成形が打ち合わせ内容と異なるトラブル

床材に指定の無垢材ではなく集成材を使った、造り付け棚の形状が打ち合わせと違う。こうした仕様違いは、契約不適合(=引き渡した工事が契約の内容どおりでないこと)にあたる可能性があります。契約内容は、契約書、仕様書、図面、見積書、打ち合わせ記録から認定されます。

契約不適合が認められる場合、注文者からは次の4つを主張される可能性があります。

  • 追完請求(=直すよう求めること)
  • 報酬減額請求(=値引きを求めること)
  • 損害賠償請求
  • 契約解除

施工前に仕様が固まっていないと、認識のズレからも揉めます。希望どおり壁紙を白で施工したのに、後から「ベージュを指定した」と言われるケースです。

施工不良によるトラブル

ドアがスムーズに開閉できない、リビングのクロスに大きなしわが入っている。こうした施工不良も、契約不適合とされる可能性があります。

契約書に「ドアをスムーズに開閉できるように施工すること」との明記がなくても同じです。工事の内容、代金額、仕様、施工場所、業界水準などに照らし、通常備えるべき品質・性能を欠けば、契約内容に適合しないと判断され得ます。

ただし、合意の中身で結論は変わります。「飲食店のバックヤードであり、美観よりも費用を優先する」との合意が明確にあれば、その合意内容、工事代金、使用目的、しわの程度を踏まえて判断されます。もっとも、安全性や法令適合性を欠く施工まで許されるわけではありません。

追加工事に関するトラブル

請負契約を結んだ後に追加工事が出る原因は、主に2つあります。

  1. 施主の希望。工事の途中で「やはりここも工事してほしい」と求められるパターンです。
  2. 現地の状況。内壁の張り替えで壁を剥がしたら内部の梁が腐食していて、取り替えや補修も必要になるパターンです。

追加代金を請求できるかどうかは、次のとおり分かれます。

  • 当初の契約範囲外の工事で、内容と追加代金について発注者と合意ができていれば、追加代金を請求できる可能性があります。
  • 当初契約に含まれる工事や、施工不良の是正として行う工事は、当然に追加代金を請求できるとは限りません。

【着工前に書面を】

追加工事の工事内容・追加代金・工期変更・費用負担を、着工前に書面または適法な電磁的方法で明確にしないまま進めるのは危険です。建設業法上の問題が生じ得るうえ、後から追加料金分の支払いを拒まれたり、追加代金の合意の存在や金額をめぐって争いとなるリスクがあります。

工事遅延に関するトラブル

工事が遅れたときに責任を負うかどうかは、遅れた原因で変わります。

  1. 施工会社の責めに帰すべき事由(=落ち度)で遅れた場合は、契約内容や損害の発生状況に応じて、遅延損害金や損害賠償責任が生じる可能性があります。
  2. 契約その他の債務発生原因や取引上の社会通念に照らして、施工会社の責めに帰することができない事由で遅れた場合は、損害賠償責任は原則として否定されます。

ただし2の場合も、工期変更の手続、追加費用の負担、不可抗力条項の中身は、契約書と個別事情に応じた検討が要ります。

揉めるのは、遅れた原因が不可抗力か施工会社の都合かで意見が食い違う場面です。契約書に遅延損害金や違約金、損害賠償額の予定の定めがなくても、施工会社に帰責性があり発注者に損害が出ていれば、民法上の債務不履行にもとづく損害賠償請求が問題になります。争点は、損害の発生、損害額、相当因果関係です。

騒音などに関する近隣トラブル

トラブルの相手は発注者だけではありません。近隣住民から工事の音や土埃について苦情が入ったら、まず次の点を確認します。

  • 苦情の内容
  • 工事の実施状況
  • 騒音・振動・粉じんの程度
  • 法令や管理規約への適合性

そのうえで、必要に応じて説明、工程調整、防音・防じん対策を検討します。謝罪や補償に応じるかは、法的責任の有無と今後の交渉への影響を踏まえて慎重に判断してください。工事の中止や金銭の支払いなど、法的根拠や相当性の検討を要する要求が来ることもあります。

内装工事でトラブルが生じた際の対処法

内装工事でトラブルが起きたときの、一般的な対処の流れを解説します。

トラブルの内容や相手方の主張の内容を確認する

はじめに、トラブルの内容と相手方の主張を、できるだけ正確に確認します。

主張に理由があると判断できる場合は、事実関係と法的責任の範囲を整理し、必要な修補、代替対応、費用負担をすぐに検討しましょう。自社が施工したドアを「直してほしい」と言われ、実際に施工に問題があるなら、謝罪をして早く修繕します。

ただし、謝罪や責任を認める表現には注意が必要です。後日の紛争に影響するため、必要に応じて弁護士に相談してください。

蒸し返しを防ぐため、次の点を書いた合意書や覚書を取り交わしましょう。

  • 対応内容
  • 費用負担
  • 履行期限
  • その対応で解決する範囲
  • 清算条項(=これ以上お互いに請求しないと確認する条項)

相手方の主張が不当だと感じる場合や、正当かどうかわからない場合は、次に進みます。

弁護士に相談する

相手方の主張が不当だと感じる場合や、正当かどうかわからない場合は、早めに弁護士に相談しましょう。相談先は、建設業界の法務に特化した事務所を選ぶのがおすすめです。

アクセルサーブ法律事務所は、建設業界のトラブル対応やトラブル予防について豊富な解決実績を有しています。内装工事のトラブルでお困りの際は、アクセルサーブ法律事務所までお早めにご相談ください。

契約書の内容を確認する

弁護士とともに、契約書、仕様書、見積書の中身を確認します。これらの書類から、相手方の主張が妥当かを検討できる場合があるためです。

たとえば自社に責任のある工事遅延で、相手方が契約書の算定方法どおりに遅延損害金(=支払いが遅れた期間に対する、利息のようなもの)や違約金を請求してきた場合、その請求には契約上の根拠がある可能性があります。もっとも、次の点は契約書全体の文言と事案に応じた検討が要ります。

  • その条項が損害賠償額の予定にあたるのか、違約罰にあたるのか
  • 適用対象となる遅延に、実際の遅延があてはまるのか

その定めが損害賠償額の予定にあたる場合、原則として、予定額を超える損害賠償請求は制限される可能性があります。ただし、予定額の対象外とされた損害がある場合や、別途の合意がある場合は結論が変わります。まずは弁護士とともに契約書を確認し、対応方法を検討しましょう。

弁護士が代理で相手方と交渉する

次に、必要に応じて、弁護士が代理人として相手方と交渉します。法律や判例、契約書を根拠に交渉することで、相手方の納得が得られ、交渉が成立する可能性があります。合意できたら内容を書面にまとめ、すぐに実行しましょう。

調停で解決をはかる

弁護士が代理で交渉しても合意できない場合は、民事調停の申立て、建設工事紛争審査会(建設工事の請負契約に関する紛争に限ります。)におけるあっせん・調停・仲裁の申請、民間ADRの利用などを検討します。なお、仲裁を使うには、原則として当事者間の仲裁合意が必要です。

民事調停は、通常、裁判官1名と調停委員2名で構成する調停委員会が、双方の意見を聴き、解決案を示すなどして合意を目指す手続です。合意が成立すると、その内容を取りまとめた調停調書が作成されます。

訴訟で解決する

調停やADRでも解決しない場合や、そもそも調停やADRでは解決が難しい場合は、訴訟で解決をはかります。訴訟では、裁判所が諸般の事情を考慮し、法律に則った結論(判決)を下します。

【控訴は2週間】

第一審判決に不服がある場合、原則として、判決書(法律が変わり、電子判決書又は電子調書とされています。)の送達を受けた日から2週間の不変期間内に控訴を提起できます。この期限までにどちらの当事者も控訴しなければ判決が確定し、両当事者がその判決に拘束されます。控訴審判決への不服申立ては、上告または上告受理申立てが問題となります。

判決が確定した後は、勝ち負けで次のように変わります。

  1. 追加工事のトラブルで、裁判所が相手方に「追加工事費用として300万円を支払うべき」と判断し確定すれば、相手方は判決に従う義務を負います。相手方が任意に支払わない場合は、強制執行の申立てを検討します。
  2. 逆に「追加工事費用を支払う必要はない」と判断され確定した場合、同じ当事者間の同じ請求について、原則として再び請求することはできません。

内装工事に関するトラブルの予防策

内装工事のトラブルは、事前の手当てで多くを防げます。ここでは、主な予防策を4つ紹介します。

なお、アクセルサーブ法律事務所は、トラブルを未然に防ぐ「予防法務」に力を入れています。内装工事に関するトラブルを予防したいとお考えの際は、アクセルサーブ法律事務所までお気軽にご相談ください。

仕様書や完成イメージ図を事前に丁寧に共有する

仕様書や完成イメージ図は、事前に丁寧に共有します。次の資料を提示し、発注者の確認・承認をメールや書面で残しておくと、後から「イメージと違う」と言われる事態を避けられます。

  • 仕様書、図面、完成イメージ図
  • 使用材料の品番・色番、サンプル
  • 打ち合わせ記録

現場の判断で追加工事を行わない

現場の判断で追加工事を進めるのは避けてください。追加工事のトラブルが多いのは、発注が口頭だったり、現場の判断で工事を進めたりするためです。

追加工事に取り掛かる前に、変更契約書や発注書・請書などを取り交わします。書き込むのは、工事内容、追加代金、工期変更の有無、費用負担、支払時期です。

内容がすぐに固まらない場合でも、少なくとも追加工事の具体的内容、契約変更の対象となること、契約変更を行う時期、単価を記載した書面を事前に取り交わすことが重要です。これで「追加費用がかかるとは知らなかった」「高いので払いたくない」という主張を避けやすくなります。

事前に近隣住民に挨拶する

工事前には近隣住民に挨拶します。あわせて工事内容、工期、騒音・振動が発生しやすい日時、連絡窓口を周知しましょう。音が響きそうな工事や土埃が立ちそうな工事の日程を伝えておけば、近隣住民が予定を立てやすくなります。

必要に応じて、次の点も確認します。

  • 管理規約、ビル管理者のルール
  • 自治体の条例
  • 騒音規制法・振動規制法上の届出の要否

契約書作成段階で弁護士に相談する

契約書は、作成段階で弁護士に相談してください。建設工事の請負契約では、建設業法上求められる事項を契約書等で明確にしておくことが重要です。

  • 工事内容
  • 請負代金
  • 工期
  • 支払時期
  • 工期変更・追加工事・損害負担のルール

これだけで防げるトラブルは少なくありません。例えば、遅延時のリスクについては、遅延損害金・違約金・損害賠償額の予定を、契約書に明確に盛り込んでおけば回避できます。工事遅延の原因が不可抗力にあたるかの争いも、「何が不可抗力であるのか」を契約書に明記すれば避けられます。

弁護士のサポートを受ければ、トラブル発生時の対応から「逆算」した条項を検討でき、予防やスムーズな解決につながる契約書を作れます。

内装工事のトラブル予防やトラブル解決はアクセルサーブ法律事務所にお任せください

内装工事のトラブル予防やトラブル解決は、アクセルサーブ法律事務所にお任せください。ここでは、当事務所の主な特長を3つ紹介します。

建設・不動産業界に強い

アクセルサーブ法律事務所は、建設・不動産業界の法務に特化しています。内装工事のトラブルもご相談をお受けし、契約内容や工事の状況に応じて、解決方針や予防策を具体的に助言します。

実践的なアドバイスを得意としている

法的な正しさだけを追求したアドバイスでは、現場で実現できません。アクセルサーブ法律事務所は、建設・不動産業界の経営実態を理解したうえで、法的なルールを踏まえつつ、その先にある「事業のさらなる発展・目標達成」を重視した実践的なアドバイスを提供しています。

「予防法務」に力を入れている

内装工事のトラブルには、適切な対策で防げるものも少なくありません。アクセルサーブ法律事務所は「助け合い、称え合い、共に成長し、喜び合う―それが当たり前の世界を創る」ことを使命とし、トラブルを未然に防ぐ「予防法務」に力を入れています。

内装工事のトラブルに関するよくある質問

最後に、内装工事のトラブルについて、よくある質問を2つ紹介します。

内装工事のトラブルは誰に相談すればよい?

内装工事に関するトラブルは、建設業界の法務に強い弁護士に相談するのがおすすめです。

業界事情にくわしい弁護士なら、内容に応じた的確なアドバイスが受けられます。お困りの際は、アクセルサーブ法律事務所までご相談ください。

下請企業のミスにより内装工事の施工不良が生じた場合、下請企業が施主に直接責任を負う?

下請企業のミスで施工不良が生じた場合でも、施主と下請企業に直接の契約関係がないのであれば、施主に対する契約上の責任は、原則として、施主から直接工事を請け負っている元請企業が負います。

元請企業と下請企業の間では、下請契約の内容やミスの原因に応じて、求償(=立て替えた分を相手に請求すること)や損害賠償といった責任分担が問題となります。

ただし、下請企業が直接責任を負う場合もあります。下請企業の施工行為で施主の生命・身体・財産に損害が生じた場合や、建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵(=欠陥)が問題となる場合で、一定の条件を満たしたときは直接責任を負うこともあります。民法上の不法行為責任の要件を満たすときは、施主に対して下請企業が直接損害賠償責任を負う可能性があります。

まとめ

内装工事でトラブルが生じたら、まずは内容と相手方の主張を確認しましょう。そのうえで弁護士とともに契約書を確認すれば、主張に法的な根拠があるかを検討でき、その後の対応も決めやすくなります。次のような場合は、早めに弁護士にご相談ください。

  • 相手方の要求に応じるべきか判断が難しい場合
  • 相手方の主張が不当である可能性がある場合
  • 追加工事代金・工期遅延・施工不良などの法的責任の範囲が不明確な場合

アクセルサーブ法律事務所は建設業界の法務に特化しており、内装工事のトラブルについても豊富な解決実績を有しています。内装工事でトラブルが生じてお困りの際や、内装工事のトラブルを避ける対策を講じたいとお考えの際などには、アクセルサーブ法律事務所までお気軽にご相談ください。

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