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【2026】管理費の滞納があるマンションへの対応は?不動産会社向けに弁護士が解説

【2026】管理費の滞納があるマンションへの対応は?不動産会社向けに弁護士が解説

マンションの管理費や修繕積立金の滞納は、今や切実な問題です。管理費等の滞納額が多額に上れば修繕計画に支障をきたすおそれがあり、マンション全体の価値が低下してしまいかねません。

では、マンションの管理費に滞納が生じた場合、どのように対応すればよいのでしょうか?また、マンションの管理費の滞納を避けるには、どのような対策を講じればよいのでしょうか?

今回は、マンションの管理費滞納によって生じ得るリスクやマンションの管理費が滞納された場合の対処法、管理費の滞納を防ぐ対策、管理費等の滞納があるマンションを仲介する際の注意点などについて弁護士がくわしく解説します。

なお、当事務所(アクセルサーブ法律事務所)は不動産・建設業界の法務に特化しており、マンションの管理費滞納に関するトラブルにも豊富なサポート実績を有しています。マンションの管理費滞納について相談できる弁護士をお探しの際は、アクセルサーブ法律事務所までお気軽にお問い合わせください。

管理費の滞納があるマンションは少なくない

管理費の滞納があるマンションは少なくなく、今や社会問題ともいえるでしょう。国土交通省が公表している資料「令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状」から、その現状がわかります。

この資料によると、管理費または修繕積立金(以下、両者を合わせて「管理費等」といいます)の3ヶ月以上の滞納がある管理組合の割合と滞納住戸の割合(不明を除く回答ベース)は、それぞれ次のとおりでした。

  • 管理費等の3ヶ月以上の滞納がない管理組合:62.1%
  • 0%超~10%以下の住戸に管理費等の3ヶ月以上の滞納がある管理組合:29.2%
  • 10%超の住戸に管理費等の3ヶ月以上の滞納がある管理組合:0.5%

管理組合の約30%に、3ヶ月以上の管理費等の滞納がある住戸があることが分かります。

また、同じく「令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状」によると、マンションの築年数が古い方が管理費等を滞納する住戸の割合が多いとされています。

これは、築年数の古いマンションではその部屋の所有者(「区分所有者」といいます)も高齢となる傾向にあり、亡くなったり施設に入所したりすることで連絡がとれなくなることによる影響であると推測できます。

なお、所有者が亡くなれば、子どもなどの相続人がマンションの区分所有権や滞納した管理費等を支払う義務を承継します。しかし、承継者がいないケースもあるほか、承継者がいても登記上の名義を変えないケースや相続でもめてしまい承継者が決まらないケースなども少なくありません。

アクセルサーブ法律事務所は不動産・建設法務に特化しており、管理費の滞納についても豊富なサポート実績を有しています。マンションの管理費が滞納されてお困りの際や区分所有者と連絡がつかずお困りの際などには、アクセルサーブ法律事務所までご相談ください。

管理費等の滞納が多いマンションのリスク

管理費等の滞納が多い場合、マンションにはどのようなリスクが生じるのでしょうか?ここでは、管理費等の滞納が多い場合に生じる主なリスクを3つ解説します。

  • 共有部分のメンテナンスや修繕が難しくなる
  • マンションの価値が下がる
  • マンション内の人間関係が悪化する

共有部分のメンテナンスや修繕が難しくなる

管理費等の滞納が増えると、共有部分のメンテナンスや修繕が難しくなるおそれがあります。滞納額が多いと、予定していたメンテナンスや修繕の費用が捻出できなくなる可能性があるためです。

マンションの価値が下がる

管理費等の滞納が増えると、マンションの価値が低下するおそれがあります。管理費等の滞納が増えれば適切なメンテナンスや修繕が困難となり、清掃が行き届かなくなったり壊れた箇所が直せずそのままとなったりする可能性があるためです。

マンション内の人間関係が悪化する

管理費等の滞納が増えると、マンション内の人間関係が悪化してギスギスとするおそれがあります。

管理費等の滞納が問題となると、総会の議題に上る可能性があります。その際に、滞納者の氏名までは公表されないことが一般的であるものの、部屋番号など事実上滞納者が推測できる情報は総会資料などに掲載される可能性があるでしょう。

先ほど解説したように、管理費等の滞納はマンション全体の価値低下につながりかねません。そこで、滞納者を推測した他の住民が滞納者に個人的な嫌がらせをするなどしてマンション内の人間関係が悪化するおそれが生じます。

マンションで管理費の滞納が起きた場合の対処法

マンションで管理費等の滞納が起きた場合、どのように対応すればよいのでしょうか?ここでは、滞納が生じた場合の対応を解説します。

  • 滞納者に理事会や管理組合などから支払いを求める
  • 弁護士に相談する
  • 弁護士から支払いを求める
  • 支払督促
  • 強制執行をする

滞納者に理事会や管理組合などから支払いを求める

マンションの管理費等の滞納が生じたら、まずは管理組合から手紙を送るなどして支払いを求めます。単なる「うっかり」による遅延であれば、この時点で入金される可能性が高いでしょう。

弁護士に相談する

理事会や管理組合などから支払いを求めても滞納が解消されない場合、弁護士に相談します。

アクセルサーブ法律事務所は不動産・建設法務に特化しており、顧問契約にも対応しています。お困りの際は、当事務所までご相談ください。

弁護士から支払いを求める

弁護士に正式に対応を依頼したら、弁護士から内容証明郵便を送って支払いを求めます。内容証明郵便とは、いつ誰から誰にどのような内容の文書が送付されたのかを、日本郵便株式会社が証明する制度です。

内容証明郵便は、訴訟の前段階として活用されることが少なくありません。滞納者はそれ以上大ごとになる事態を避けたいと考えることが多いため、弁護士から内容証明郵便が届いた時点で滞納が解消される可能性が高いでしょう。

支払督促

弁護士から内容証明郵便を送ってもなお管理費等の滞納が解消されない場合には、支払督促を申し立てます。支払督促とは、裁判所から管理費等の滞納者に対して支払いを命じてもらう手続きであり、通常の訴訟よりも簡易・迅速な解決が期待できます。

相手方から異議が申し立てられない限り、強制執行で必要となる「債務名義」が獲得できます。

強制執行をする

債務名義が獲得できたら、これをもとに強制執行を行います。強制執行とは、滞納者の財産など(預貯金や保険、不動産、自動車、給与など)を差し押さえ、滞納した管理費等を強制的に取り立てる手続きです。

管理費等の滞納者が所有するマンションの専有部分も差押さえの対象とできるものの、どの財産を差し押さえの対象とするかは慎重に検討するとよいでしょう。

マンションの管理費滞納の予防策

マンションで管理費等の滞納が起きないための予防策としては、どのような方法が検討できるのでしょうか?ここでは、管理費滞納の予防策を3つ解説します。

  • 区分所有者名簿を定期的に更新する
  • 口座振替などを活用する
  • 滞納発生時の対応ルールを決めておく

なお、アクセルサーブ法律事務所は不動産法務に特化しており、トラブルを未然に防ぐ「予防法務」にも力を入れています。管理費の滞納を防ぐ具体的な方法に関するアドバイスが必要な際は、アクセルサーブ法律事務所までお気軽にご相談ください。当事務所は顧問契約にも対応しており、顧問契約を締結いただくことで日常的な困りごとについても気軽に相談しやすくなります。

管理組合法人の場合、区分所有者名簿を定期的に更新する

対策の1つ目は、区分所有者名簿を定期的に更新することです。

区分所有者名簿とは、マンションの各部屋の現在の所有者をまとめた名簿です。管理組合法人の場合、区分所有者名簿の作成や都度の変更は区分所有法上の義務であるものの、適切に変更されていないことも少なくありません(区分所有法48条の2)。

前提として、マンションはそこに住んでいる人が必ずしも所有者であるとは限りません。所有者が実際に住んでいるケースも多い一方で、所有者は別のところに住んでマンションの部屋を他者に賃貸していたり、元々そのマンションに住んでいた人が亡くなって空き家となっていたりすることもあります。

所有者がそのマンションに住んでいない場合、区分所有者名簿が適切に更新されていなければ、管理費滞納の督促などをしようにもまずは現在の所有者の居場所を探すことから始めなければなりません。このハードルが高く、適切な対応がとれずにいる間にも管理費の滞納額が嵩んでしまうこともあるでしょう。

そのような事態を避けるため、いざ滞納が生じてから現在の所有者を探そうとするのではなく、区分所有者名簿を定期的に更新して最新状態に保つ体制を整備することをおすすめします。

口座振替などを活用する

対策の2つ目は、口座振替を活用することです。

管理費等が滞納される場合、はじめは「うっかり」である場合もあるでしょう。しかし、その後督促がされないうちに滞納額が嵩んでしまうと、積み重なった滞納額をまとめて支払うことができず、滞納の解消が困難となる可能性が生じます。仮に1ヶ月あたりの管理費等が2万円であったとしても、これが10ヶ月重なれば20万円となるためです。

また、区分所有者の数が多ければ毎月数件は「うっかり」による支払い忘れが生じる可能性もあり、管理や回収も煩雑となりやすいでしょう。そこで、そもそも「うっかり」の支払い漏れを防ぐため、口座振替などを活用することをおすすめします。

滞納発生時の対応ルールを決めておく

対策の3つ目は、滞納発生時のルールを事前に決めておくことです。

管理費等が滞納された際のルールが明確となっていなければ、その都度対処方法を検討する必要が生じます。その都度対策を検討するのは煩雑であるうえ、議論に時間がかかればその間にも滞納額が嵩むおそれがあるでしょう。

そこで、たとえば「入金が遅れたらすぐに手紙を送る」「〇ヶ月分が滞納されたら内容証明郵便を送って督促する」など、対応ルールを事前に定めておくことが検討できます。事前にルールを定めておくことで、滞納が生じた際にスムーズかつ機械的に的確な対応がしやすくなります。

管理費等の滞納があるマンションの売買を仲介する際の注意点

不動産会社に、管理費等の滞納のあるマンションについて売買の仲介の話が持ち込まれる場合もあります。では、管理費等の滞納があるマンションの一室の売買を仲介する場合、不動産会社はどのような点に注意する必要があるのでしょうか?ここでは、主な注意点を2つ解説します。

  • 滞納額を正しく把握する
  • 買主に滞納額の支払いが求められ得ることを買主に書面で説明する

なお、アクセルサーブ法律事務所は不動産・建設法務に特化しており、豊富なサポート実績を有しています。管理費滞納のあるマンションを仲介することとなり、具体的な状況に応じた注意点などに関する弁護士のアドバイスをご希望の際は、アクセルサーブ法律事務所までお気軽にご相談ください。

滞納額を正しく把握する

管理費等の滞納があるマンションを仲介する場合、不動産会社は買主に対してその旨を正確に説明しなければなりません。また、買主を募集するにあたって、滞納額をマンションの売り出し価格に適正に反映させる必要もあるでしょう。前提として、マンションのある部屋(例:101号室)について管理費等の滞納がある場合、当該管理費等は区分所有法7条1項の債権として、特定承継人(今回の例で言えばその101号室を買い受けた人)に対しても行使できるため、結果的にその買い受けた人が滞納分の管理費等を支払う必要があるためです(区分所有法8条)。

そのため、管理費等の滞納があるマンションを仲介しようとする際は、根拠資料などを確認のうえ滞納額を正確に把握する必要があります。

買主に滞納額の支払いが求められ得ることを買主に書面で説明する

マンション売買の仲介に際しては、不動産会社は買主に一定の重要な事項を説明しなければなりません(宅建業法35条)。そして、管理費等の滞納があることやその滞納額も、重要事項として説明すべき項目の1つです。

マンションの仲介にあたってこれらの事項を明確に説明しなければ、管理費等の滞納があることが発覚した時点で売買契約が解除されたり仲介をした不動産会社に対して損害賠償請求がされたりする可能性が生じます。

管理費が滞納されたマンションに関するよくある質問

続いて、管理費が滞納されたマンションに関するよくある質問とその回答を2つ紹介します。

マンションの管理費滞納が起きる背景は?

マンションの管理費等の滞納が起きる背景には、次のものなどが想定されます。

  • 解雇など何らかの事情で収入が減り支払えなくなった
  • 年金が少なく管理費等が捻出できない
  • 区分所有者が認知症など自分で資産が管理できない状態となったものの、家族などが管理費等を支払うべきことを認識していない
  • 区分所有者が亡くなったものの、相続人が管理費等を支払うべきことを認識していない
  • 区分所有者が亡くなったものの、相続争いが起きておりマンションの承継者が決まっていない
  • 区分所有者が亡くなったものの、相続人がおらず資産が放置されている

滞納が起きている原因によって、滞納発生時の的確な対応は異なります。管理費等の滞納が生じてお困りの際は、アクセルサーブ法律事務所までご相談ください。

マンションの管理費滞納の時効は?

マンションの管理費等の時効は、原則として、管理組合が権利を行使できることを知った時から5年(民法166条1項1号)です。なお、権利を行使できる時から10年(同項2号)という上限もありますが、管理組合は管理費等の支払期限等を把握しているでしょうから、原則5年で時効にかかる、と捉えておいてよいでしょう。時効を経過しないよう、管理費等の滞納が生じたら早期に対応すべきでしょう。

管理費の滞納があるマンション仲介でお困りの際はアクセルサーブ法律事務所までご相談ください

マンションの管理費等の滞納や滞納があるマンションの仲介でお困りの際は、アクセルサーブ法律事務所までご相談ください。最後に、当事務所の主な特長を3つ紹介します。

  • 不動産・建設法務に特化している
  • 経営者目線での実践的なアドバイスを得意としている
  • トラブルを防ぐ「予防法務」に力を入れている

不動産・建設法務に特化している

アクセルサーブ法律事務所、不動産・建設法務に特化しています。そのため、マンションの管理費滞納など不動産にまつわる困りごとへの適切かつスムーズな対応が実現できます。

経営者目線での実践的なアドバイスを得意としている

アクセルサーブ法律事務所は机上の空論を押し付けるのではなく、経営者目線での実践的なアドバイスを得意としています。不動産・建設業界のビジネスの実態や取引慣習などを熟知しているため、ビジネス展開も踏まえたサポートが提供できます。

トラブルを防ぐ「予防法務」に力を入れている

弁護士というと、「問題が起きてから相談する人」というイメージを持っている人も多いでしょう。しかし、事前に対策を講じることで防げるトラブルも少なくありません。

アクセルサーブ法律事務所はトラブル発生後の対応のみならず、トラブルを未然に防ぐ「予防法務」にも力を入れています。トラブルの発生を予防できればトラブル対応に時間や手間を割く事態を避けられ、より本業に注力しやすくなるでしょう。

まとめ

マンションの管理費等滞納の実情を紹介するとともに、管理費等の滞納が生じた場合の対応や滞納を防ぐ対策などを解説しました。

マンションの管理費等の滞納が生じたら、できるだけ早期に対応すべきです。対応が遅れれば滞納額が嵩み、回収が困難となる可能性が高くなるためです。

マンションの管理費等に滞納が生じたら早期に弁護士に相談し、内容証明郵便の送付や支払督促などを検討しましょう。また、口座振替としたり区分所有者名簿を最新状態に更新したりすることで、滞納の予防につながります。

アクセルサーブ法律事務所は不動産・建設業界の法務に特化しており、顧問契約にも対応しています。管理費等の滞納についても相談できる実績豊富な弁護士をお探しの際は、アクセルサーブ法律事務所までお気軽にご連絡ください。

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