【2026】不動産売買契約が解除された場合の対応は?不動産会社向けに弁護士が解説

不動産売買契約を締結したものの、契約締結後に売買契約が解除されることがあります。
では、不動産売買契約が解除される理由としては、どのようなものが挙げられるのでしょうか?また、買主側から不動産売買契約の解除を申し入れられた場合、不動産会社はどのように対応すればよいのでしょうか?今回は、不動産売買契約が解除される理由や不動産売買契約の解除を申し入れられた場合の対応などについて弁護士がくわしく解説します。
なお、当事務所(アクセルサーブ法律事務所)は不動産・建設業界に特化しており、豊富なサポート実績を有しています。不動産売買契約の解除についても相談できる弁護士をお探しの不動産会社様は、アクセルサーブ法律事務所までお気軽にご相談ください。
不動産売買契約が解除される理由
不動産売買契約の解除は、その理由によって法的な考え方が異なります。はじめに、不動産売買契約が解除される主な理由と基本的な対応について概要を解説します。
- 買主が他にもっとよい物件を見つけたから
- 売買対象の不動産に契約に適合しない点があったから
- 当事者の契約違反(債務不履行)があったから
- 買主がローン審査に通らなかったから
- 売主と買主との解除へ向けた合意が成立したから
買主が他にもっとよい物件を見つけたから
他にもっとよい物件が見つかったとして、買主側から不動産売買契約の解除が申し入れられることがあります。
不動産売買契約書に定めた「手付解除期日」よりも前であれば、買主が手付金を放棄することで契約の解除が可能です。
一方で、手付解除期日を過ぎているのであれば、原則としてこのような理由による一方的な解除はできません。現実的には、売主から買主に対して一定の違約金を請求することで解決をはかることとなるでしょう。
売買対象の不動産に契約に適合しない点があったから
売買対象の不動産に契約への不適合があることを理由に、不動産売買契約の解除が申し入れられることがあります。この場合には、不適合により契約の目的が達成できないのであれば、契約の解除が認められます。
たとえば、買主が旅館業を営むために旅館業を営める建物であると説明を受けて売買契約を締結したものの、用途地域などの関係からその地域では旅館業が営めない(建物を旅館に転用できない)ことがわかった場合などがこれに該当するでしょう。
なお、この場合には、買主側から虚偽の説明をした売主側に対して損害賠償請求がなされる可能性もあります。
当事者の契約違反(債務不履行)があったから
契約の相手方に契約違反があったことを理由に、不動産売買契約の解除が申し入れられることがあります。
たとえば、買主が所定の期日までに中間金を支払わなかった場合などがこれに該当します。また、売主側に買主に名義変更をできない事情が生じる場合もあるでしょう。名義人が故人であり売主が自分がその不動産を相続する予定で契約を進めていたものの、思いがけず相続でもめてしまい自分が不動産を取得できなかった場合などです。
当事者の契約違反による解除である場合、契約違反をした側に対して相手方から損害賠償請求がされることがあります。
買主がローン審査に通らなかったから
不動産売買では、買主がローンを組むことがほとんどでしょう。ローンを組むことが前提であった場合、買主がローン審査に通らなかったことが契約解除の原因となります。
なお、不動産売買契約には「ローン特約」を設けることが一般的です。これは、買主が誠実にローンに申し込んだにもかかわらずローン審査に通らなかった場合に、契約を白紙に戻すことを定めた条項です。
ローン特約がある場合、買主がローンに通らなかったのであれば、違約金などは発生せずに契約は解除されます。また、売主が受け取った手付金がある場合、その手付金も買主に返還します。
売主と買主との解除へ向けた合意が成立したから
売主と買主との合意により、不動産売買契約が解除されることがあります。この場合には、違約金の有無や具体的な金額なども、合意によって定めることとなります。
不動産売買契約が解除された場合の初期対応:売主の場合
不動産売買契約の解除が申し入れられた場合、不動産会社はどのように対応すればよいのでしょうか?ここでは、不動産会社自らが売主である場合を前提に、買主側から不動産売買契約が解除された場合の初期対応を解説します。
- 解除の理由を確認する
- 弁護士に相談する
- 事実関係を確認する
- 契約書の規定を確認する
- 状況に応じた適切な対応を行う
解除の理由を確認する
不動産売買契約が解除されたら、まずは買主側に解除の理由を確認します。先ほど解説したように、不動産売買契約が解除された理由によって適切な対応や損害賠償請求の可否などが異なるためです。
弁護士に相談する
買主側に解除の理由を確認したら、弁護士へ相談します。弁護士へ相談することで、その状況に応じた適切な対応策や損害賠償請求の可否、適切な賠償額などが把握しやすくなるためです。
相談先の弁護士は、不動産法務に特化した事務所を選ぶとよいでしょう。不動産売買契約の解除について相談できる弁護士をお探しの際は、アクセルサーブ法律事務所までご連絡ください。
事実関係を確認する
不動産売買契約を解除する理由が「売主側の契約違反」や「対象の不動産に契約とは異なる点があったこと」であると買主側が主張している場合には、弁護士とともに事実関係を確認します。実際に契約違反や契約不適合があったか否かによって、その後の対応が異なるためです。
契約書の規定を確認する
続いて、契約書の規定を確認します。確認すべき項目は、解除の方法などについて定めた条項のほか、次の条項などです。
- 手付解除である場合:手付解除ができる期間について定めた条項
- ローン審査に通らなかった場合:ローン特約に関する条項
- 売買対象の不動産に契約に適合しない点があったと主張されている場合:「適合しない」と主張する根拠となる条項
- 売主である不動産会社に契約違反があったと主張されている場合:「契約違反」と主張する根拠となる条項
また、売主側の事情による解除である場合、不動産会社側から請求できる違約金の定めに関する条項も確認するとよいでしょう。
状況に応じた適切な対応を行う
事実関係や契約書の規定などを確認したら、状況に応じた対応を行います。
たとえば、手付解除ができる期間内の解除であれば、「解除はできるものの自社が預かっていた手付金は放棄してもらうことになる」旨を伝えたうえで記録を残します。また、ローン特約を根拠とする解除であれば、規定に従って預かっていた手付金を返還して受領証を受け取りましょう。
このように、不動産売買契約が解除された場合にとるべき対応は解除の理由や状況などによって異なります。ケース別の枝分かれが多く難しい判断が必要となることも多いため、弁護士とともに状況に合った対応を検討するとよいでしょう。
不動産売買契約が解除された場合の対応でお困りの際は、アクセルサーブ法律事務所までご相談ください。
不動産売買契約が解除された場合の初期対応:仲介の場合
不動産会社が仲介として関わっている案件で、不動産売買契約の解除が申し入れられる場合もあります。ここでは、不動産会社が仲介として関与している場合に顧客から売買契約の解除を申し入れられた場合の対処法を解説します。
- 解除の理由を確認する
- 売買契約書の内容を確認し、解除による法的リスクを説明する
- 仲介手数料の取り扱いについて弁護士に相談する
解除の理由を確認する
はじめに、顧客が不動産売買契約の解除を希望している理由を確認します。先ほど解説したように、解除の原因によって解除できるか否かや、違約金が発生するか否かなどが異なるためです。
売買契約書の内容を確認し、解除による法的リスクを説明する
解除の理由に応じて、不動産売買契約書の規定から法的なリスクを説明します。たとえば、顧客が買主側であり手付解除期日前の解除であれば、手付金は戻ってこないことなどを説明すべきでしょう。
また、解除の理由やタイミングなどによっては、違約金が請求されるなどトラブルに発展するおそれもあります。そのため、必要に応じて弁護士に相談をしたり弁護士を紹介したりすることも検討するとよいでしょう。
不動産売買契約の解除について相談できる弁護士をお探しの際は、アクセルサーブ法律事務所までお問い合わせください。
仲介手数料の取り扱いについて弁護士に相談する
自社が仲介として関与している不動産売買契約が途中で解除された場合、自社の仲介手数料についても検討しなければなりません。不動産売買契約がいったん成立したもののその後解除に至った場合、仲介手数料の全額は受け取れない可能性が高いためです。
自社と顧客とで締結した契約書に中途解約時の仲介手数料に関する定めがあれば、原則としてその規定に従います。契約書に明確な定めがない場合や契約書どおりの対応について顧客の納得が得られない場合には、アクセルサーブ法律事務所までご相談ください。
不動産売買契約の解除に関して不動産会社が弁護士に相談する主なメリット
不動産売買契約の解除でお困りの際は、弁護士に相談するのがおすすめです。ここでは、不動産売買契約の解除について弁護士に相談する主なメリットを3つ解説します。
- 状況に応じた的確な対応が実現できる
- 解除にともなう処理を的確に実現しやすくなる
- 自分で対応を調べる手間や時間を削減できる
なお、アクセルサーブ法律事務所は不動産・建設法務に特化しており、顧問契約にも対応しています。困りごとが生じた際に気軽に相談できる弁護士をお探しの不動産会社様は、アクセルサーブ法律事務所までまずはお気軽にご連絡ください。
状況に応じた的確な対応が実現できる
1つ目は、状況に応じた的確な対応が実現しやすくなることです。
先ほど解説したように、不動産売買契約の解除への対応は、解除の原因やタイミングなどによって異なります。また、複数の要因が組み合わさっており、対応に苦慮する場合もあるでしょう。
弁護士に相談することで、具体的な状況に応じた的確な判断が可能となります。
解除にともなう処理を的確に実現しやすくなる
2つ目は、解除にともなう処理を的確に実現しやすくなることです。
不動産売買契約が解除された場合、解除の理由などによっては違約金の請求が可能です。また、場合によっては手付金の返還が必要となります。さらに、解除によって金銭の授受が発生する場合には、覚書を取り交わすなど後日トラブルが蒸し返されないための工夫も必要でしょう。
弁護士に相談することで、解除にともなうさまざまな処理が的確に実現しやすくなります。
自分で対応を調べる手間や時間を削減できる
3つ目は、自分で対応を調べる手間や時間を削減できることです。
不動産売買契約が解除された場合の的確な対応を自社だけで調べようとすると、多大な時間と労力を要するでしょう。不動産法務にくわしい弁護士に相談することで、あっという間に疑問が解決することも多く、時間や手間の大きな削減につながります。
不動産売買契約の解除に関するよくある質問
不動産売買契約の解除に関するよくある質問とその回答を2つ紹介します。
不動産売買契約はいつまで手付解除ができる?
不動産売買契約の手付解除ができるのは、相手方が契約の履行に着手するまでです(民法557条)。
ただし、「相手方が契約の履行に着手」したタイミングの判断が難しいため、実務上は手付解除ができる期限(手付解除期日)を契約書で定めることが多いでしょう。契約書に手付解除ができる期間の定めがある場合には、その契約書の規定に従います。
不動産売買契約の解除について相談する弁護士は誰でもよい?
不動産売買契約の解除について相談する際は、不動産法務に特化した弁護士を選ぶことをおすすめします。弁護士は、事務所によって力を入れている分野が異なることが多いためです。
不動産法務に特化した弁護士をお探しの際は、アクセルサーブ法律事務所までお気軽にご連絡ください。当事務所は顧問契約にも対応しており、不動産にまつわるさまざまな困りごとに対応できます。
不動産売買契約の解除でお困りの際はアクセルサーブ法律事務所までご相談ください
不動産売買契約の解除でお困りの際は、アクセルサーブ法律事務所までご相談ください。最後に、当事務所の主な特長を3つ紹介します。
- 不動産・建設法務に特化している
- トラブルを防ぐ「予防法務」に特化している
- 経営者目線に立ったより実践的なアドバイスを得意としている
不動産・建設法務に特化している
アクセルサーブ法律事務所は不動産・建設業の法務に特化しており、豊富なサポート実績を有しています。業界における取引慣例や生じやすいトラブル事例などを熟知しているため、これらを踏まえたより的確なリーガルサポートを提供できます。
トラブルを防ぐ「予防法務」に特化している
トラブルが生じてしまうと、最終的には解決に至ったとしても、対応への時間や労力、心理的な負担が生じるでしょう。実は、トラブルの中には、事前の対策を講じることで防げるものが少なくありません。
アクセルサーブ法律事務所は、「紛争が起こらない社会」・「助け合い、称え合い、共に成長し喜び合うのが当たり前の世界」を創ることを最終的な目標としています。そこで、トラブルが起きてしまってからの解決のサポートのみならず、「紛争が起こらない環境」をお客様に提供する「予防法務」にも力を入れています。
経営者目線に立ったより実践的なアドバイスを得意としている
法的に正しいことと経営として望ましいことは、一致しないこともあるでしょう。そうであるにもかかわらず、弁護士がビジネスを無視して法的な正しさだけを押し付ければ、机上の空論となりかねません。
アクセルサーブ法律事務所は不動産業界における経営実態を深く理解したうえで、法的なルールは守りつつも、その先にある「事業のさらなる発展・目標達成」を重視したアドバイスを提供しています。
まとめ
不動産売買契約が解除される主な理由や、不動産売買契約が解除された場合の対処法、
不動産売買契約の解除について弁護士に相談するメリットなどを解説しました。
不動産売買契約が解除される理由は、多岐にわたります。たとえば、「買主が他にもっとよい物件を見つけたから」「売買対象の不動産に契約に適合しない点があったから」「買主がローン審査に通らなかったから」などの原因が考えられるでしょう。
不動産売買契約が解除された場合の対応や違約金発生の有無などは、解除の原因やタイミングなどによって異なります。そのため、不動産売買契約が解除されたら、まずは不動産法務に強い弁護士に相談するとよいでしょう。弁護士に相談することで、状況に応じた的確な対応をしやすくなります。
アクセルサーブ法律事務所は不動産・建設法務に特化しており、顧問契約にも対応しています。不動産売買契約が解除された場合の対応についても相談できる実績豊富な弁護士をお探しの際は、アクセルサーブ法律事務所までお気軽にご連絡ください。

