【2026】サブリースの解約を申し入れられた場合の対応は?弁護士がわかりやすく解説

サブリースは賃貸管理の方法として広く活用されており、不動産オーナーとの間で賃貸借契約を締結している不動産会社様も少なくないでしょう。しかし、サブリースは、ときにトラブルの原因となります。
では、サブリースにまつわる主なトラブルには、どのようなものがあるのでしょうか?また、不動産オーナーから賃貸借契約の解約を申し入れられた場合、不動産会社としてはどのように対応すればよいのでしょうか?
今回は、サブリースに関するよくあるトラブルを紹介するとともに、サブリースに関する賃貸借契約の解約が申し入れられた場合の対応や解約にまつわるトラブルを避ける対策などについて弁護士がくわしく解説します。
なお、当事務所(アクセルサーブ法律事務所)は不動産・建設業界の法務に特化しており、顧問契約にも対応しています。サブリース契約の解約についても相談できる実績豊富な弁護士をお探しの際は、アクセルサーブ法律事務所までお気軽にご連絡ください。
サブリースとは?
サブリースとは、一般に、不動産オーナーが不動産会社(サブリース会社)へ建物を賃貸し(マスターリース)、不動産会社が入居者へ転貸する(サブリース)という2段階の契約構造をいいます。オーナーと不動産会社の契約(本記事では「サブリースに関する賃貸借契約」と定義します。)は、実体として建物賃貸借に該当し、借地借家法が適用されるのが通常です。一般的には、賃貸管理の手法として活用されることが多いでしょう。
典型的なサブリースでは、まずアパートなどの賃貸物件を持っている不動産オーナーから不動産会社が当該賃貸物件をまるごと借り受けて、賃料を払います。そのうえで、不動産会社が入居者を募集し、不動産会社が入居者からの賃料を受け取ります。
不動産会社は、不動産オーナーに支払う賃料と入居者から受け取る賃料との「差額」で利益を得ます。一方で、不動産オーナーとしては、手間のかかる賃貸管理を不動産会社に「丸投げ」しつつ不動産会社から賃料を得られる点がメリットでしょう。
サブリースでは、もともと不動産オーナーが持っていたアパートをサブリースの対象とすることもあります。その一方で、不動産会社側が全体の「絵」を描き、サブリースを主導する場合も多いでしょう。
たとえば、土地を持っている不動産オーナーにサブリースを前提として建物(アパート)を建築してもらい、これを借り受ける場合などです。この場合、不動産オーナーは金融機関でローンを組むことが一般的です。
サブリースにまつわる主なトラブル
サブリースはトラブルに発展することも多く、消費者庁から注意喚起がされているほどです。
とはいえ、サブリースという制度自体が「悪」なのではありません。トラブルになる原因は、不動産オーナーが契約内容を勘違いすることや、不動産会社が不動産オーナーに勘違いさせるような説明をしてサブリース契約を締結させることにあるでしょう。
ここでは、サブリースにまつわる主なトラブルを4つ紹介します。サブリースに関する賃貸借契約を締結する不動産会社としては故意に不動産オーナーを騙そうとしないことはもちろん、生じやすいトラブルを知ったうえで、勘違いが生じないよう事前に丁寧に説明する必要があるでしょう。
- 家賃減額に関するトラブル
- 解約ができないトラブル
- リフォーム代金に関するトラブル
- 賃料の未払いに関するトラブル
参照元:サブリース契約に関するトラブルにご注意ください!(消費者庁)
家賃減額に関するトラブル
1つ目は、家賃の減額に関するトラブルです。
サブリースに関する賃貸借契約によって不動産会社から不動産オーナーに対して支払う賃料は、周辺の家賃相場や建物の劣化などによって減額する可能性があるでしょう。しかし、不動産オーナーが「賃料が減額される可能性があること」を認識しておらず、トラブルに発展する可能性があります。
解約ができないトラブル
2つ目は、解約ができないトラブルです。
「借地借家法」により、建物の借主は厚く保護されています。そのため、不動産オーナーはサブリースに関する賃貸借契約の自由な解約ができないことが多くあります。単純な管理委託とは異なり、サブリースに関する賃貸借契約における不動産会社は建物の借主の地位を有することになるためです。
しかし、不動産オーナーがこの点を認識しておらず、解約したいときに解約できずトラブルに発展する可能性があります。
リフォーム代金に関するトラブル
3つ目は、リフォーム代金に関するトラブルです。
サブリース物件が古くなると、入居者を得るためにリフォームが必要となる場合があります。このリフォーム費用の負担者は契約内容によって異なるものの、一般的には不動産オーナー側の負担であることが多いでしょう。
しかし、不動産オーナーがこの点を認識しておらず、不動産会社側からリフォームの相談をされた際にトラブルに発展する可能性があります。
賃料の未払いに関するトラブル
4つ目は、賃料の未払いに関するトラブルです。
サブリースに関する賃貸借契約を締結したにも関わらず、不動産会社から賃料が支払われなくなることがあります。これは、不動産会社側の経営状態の悪化が原因であることが多いでしょう。
オーナーからサブリースに関する賃貸借契約の解約を申し入れられた場合の対応
不動産オーナーからサブリースに関する賃貸借契約の解約を申し入れられた場合、不動産会社としてはどのように対応すればよいのでしょうか?ここでは、サブリースに関する賃貸借契約の解約を申し入れられた場合の初期対応について解説します。
- 解約したい事情を丁寧に聴く
- 必要に応じて、弁護士に相談する
- 契約書の内容に応じて、真摯に対応する
解約したい事情を丁寧に聴く
不動産オーナーからサブリースに関する賃貸借契約の解約を申し入れられたら、まずは解約したいと考えるに至った事情を丁寧に確認します。
サブリースに関する賃貸借契約は不動産の賃貸借契約であるため、不動産オーナーからの一方的な解約には制約がかかることが多くあります。
そのため、契約内容等も丁寧に確認する必要があります。
大事な点として、「普通借家」「定期借家」のいずれなのかを確認する必要があります。
賃貸借期間の定めがない、あるいは定めはあるが期間満了で契約が終了することが明示されていない(更新が予定されている)「普通借家」の場合、不動産オーナーからの一方的解約は原則、正当事由が必要とされます。
一方、賃貸借期間が定められ、更新がなく、期間満了で契約が終了することが明示されている「定期借家」の場合は、一定の要件を満たす必要があるものの、原則は、期間満了で契約は終了となり、正当事由は必要とされません。
多くの場合は「普通借家」であるため、この場合は次に、解約したい事情が正当事由にあたるか否かを確認します。
なお、解約に応じるか否かの確答をその場ですることは避け、いったん持ち帰ったうえで対応を慎重に検討するとよいでしょう。
必要に応じて、弁護士に相談する
契約を解約したい事情を確認したら、弁護士に相談します。弁護士に相談することで、不動産オーナー側に生じた「事情」が解約の正当事由であるか否かが判断でき、契約書の内容を踏まえた具体的な対応が検討しやすくなります。
相談する弁護士は、不動産法務に特化した事務所を選ぶとよいでしょう。お困りの際は、アクセルサーブ法律事務所までご相談ください。
契約書の内容に応じて、真摯に対応する
弁護士に相談をして具体的な対応方法を検討したら、不動産オーナーへ真摯に対応します。不動産会社だけでは対応が難しい場合には、弁護士に同席を求めることなども検討できます。
なお、サブリースに関する賃貸借契約の解約には応じられないと回答する場合、不動産オーナー側から解約を求めて訴訟が提起される可能性があります。そのため、訴訟に耐えられるよう、弁護士のサポートを受けたうえで資料の整理や確認なども進めておくとよいでしょう。
サブリースに関する賃貸借契約の解約に正当事由があるとされやすいケース
先ほど解説したように、普通借家の場合、サブリースに関する賃貸借契約を不動産オーナー側から一方的に解約するには、正当事由が必要です。では、どのような事情が「正当事由」にあたるのでしょうか?ここでは、正当事由があると判断されやすい主な事情を紹介します。
- オーナーや親族がその物件を使う必要性が強い場合
- 物件の老朽化により取り壊しをする場合
- 十分な立退料が支払われる場合
ただし、正当事由は「このような事情があれば絶対に解約が認められるというわけではなく、その正当事由の具体的な内容や借主(不動産会社)側の事情との均衡などによって個別に判断されるものです。
一方的な解約の要否を当事者だけで判断することは容易ではありません。お困りの際はアクセルサーブ法律事務所までご相談ください。
オーナーや親族がその物件を使う必要性が強い場合
不動産オーナーやその物件を使う必要性が高い場合は、正当事由があると認められる可能性があります。
たとえば、遠方に居住していた不動産オーナーの子どもが地元に戻り、そのアパートが建っている場所に自宅を建築して居住したい場合などがこれに該当します。
物件の老朽化により取り壊しをする場合
建物が老朽化して危険な状態となっており取り壊そうとする場合には、正当事由があるとして解約が認められる可能性があります。
十分な立退料が支払われる場合
十分な立退料を支払う場合には、解約が認められる可能性があります。
ただし、立退料の支払いは他の正当事由を補完する材料としかならず、立退料を支払うだけで正当事由があると認められるわけではありません。
サブリースに関する賃貸借契約の解約に正当事由がないと判断されやすいケース
続いて、サブリースに関する賃貸借契約の解除にあたって正当事由がないと判断されやすい事情を2つ紹介します。
- 利回り向上が目的である場合
- 高値での売却が目的である場合
利回り向上が目的である場合
利回りの向上が目的である場合、原則として正当事由があるとは認められません。
たとえば、空室が埋まった時点で不動産会社との契約を解除し、入居者との直接の賃貸借契約に切り替えて不動産オーナーが自分の収入を増やそうとすることなどは認められない可能性が高いでしょう。
高値での売却が目的である場合
高値での売却を目的とする場合、原則として正当事由があるとは認められません。このような、不動産オーナーの利益を最大化する目的での解除は認められない可能性が高いでしょう。
転借人(入居者)への対応
不動産オーナーと不動産会社との賃貸借契約が終了しても、不動産会社と転借人(入居者)との転貸借契約は当然に終了するわけではありません。
特に、不動産オーナーと不動産会社との賃貸借契約が合意により解除され、終了した場合は、転借人(入居者)との転貸借契約は原則として存続することになるため、注意が必要です。
サブリースに関する賃貸借契約の解約によるトラブルを避ける対策
サブリースに関する賃貸借契約の解約にまつわるトラブルを避けるために、不動産会社はどのような対策を講じればよいのでしょうか?ここでは、主な対策を3つ解説します。
- サブリースに関する賃貸借契約のよい面のみならずリスクも丁寧に説明する
- サブリースに関する賃貸借契約の解約には一定の制約があることを説明する
- サブリースに関する賃貸借契約の解約時の違約金の額を契約書に定め、契約時に丁寧に説明する
サブリースに関する賃貸借契約のよい面のみならずリスクも丁寧に説明する
1つ目は、サブリースに関する賃貸借契約のよい面のみならず、リスクも丁寧に説明することです。
サブリースに関する賃貸借契約に関するトラブルは、不動産オーナーがサブリースのリスクを十分に理解しないまま契約したことが原因で生じることがほとんどです。不動産オーナー側による思い違いの場合もあれば、不動産会社側がよい面だけを強調して契約させたことによる場合もあるでしょう。
サブリースは不動産オーナーにとってメリットがある一方で、デメリットやリスクもあるものです。サブリースに関する賃貸借契約の締結時に不動産会社がマイナス面やリスクも丁寧に説明して書面で同意を得ておくことで、「聞いていた話と違う」などとしてトラブルになる事態を回避しやすくなります。
サブリースに関する賃貸借契約の解約には一定の制約があることを説明する
2つ目は、サブリースに関する賃貸借契約の解約には一定の制限があることを、契約時に説明することです。
先ほど解説したように、サブリースに関する賃貸借契約は不動産オーナー側から自由に解約できないことが多いものです。しかし、中には管理の委託などと同様に捉え、「いつでも解約できる」と誤解している場合もあるでしょう。このような誤解がある場合、解約を希望された際にトラブルに発展する可能性があります。
このような事態を避けるため、サブリースに関する賃貸借契約を締結する際は、中途解約ができない場合が多いことを丁寧に説明しておく必要があります。
サブリースに関する賃貸借契約の解約時の違約金の額を契約書に定め、契約時に丁寧に説明する
3つ目は、サブリースに関する賃貸借契約の解約に関する違約金の額を定め、契約時に丁寧に説明することです。
サブリースに関する賃貸借契約は中途解約できない場合が多いとはいえ、オーナー側が強く解約を求めている場合には解約に応じざるを得ない場面もあるでしょう。そのまま無理に契約を継続することは、後のトラブルのもとであるためです。
そのような場合に備え、サブリースに関する賃貸借契約の契約書で違約金の額を定めて契約時にも丁寧に説明しておくことをおすすめします。
サブリースに関する賃貸借契約の解約に関するよくある質問
続いて、サブリースに関する賃貸借契約の解約に関するよくある質問とその回答を2つ紹介します。
サブリースに関する賃貸借契約の解約で請求できる違約金の相場は?
サブリースに関する賃貸借契約が解約された際に請求できる違約金に、明確な相場はありません。ただし、違約金の定めがあれば、原則としてその定めに従います。
サブリースに関する賃貸借契約の解除が申し入れられて対応や違約金の請求でお困りの際は、アクセルサーブ法律事務所へご相談ください。
サブリースに関する賃貸借契約の解約は不動産会社側からもできる?
サブリース会社(不動産会社)側から、サブリースに関する賃貸借契約を解除できるかどうかは、契約形態(「普通借家」か「定期借家」か)、期間の定め、中途解約条項、解除事由条項等により異なります。
もちろん、不動産会社側としては、収益性の悪化した不動産についていつまでもサブリースに関する賃貸借契約を維持させる事態は避けたいことでしょう。そこで、契約書に不動産会社側からサブリースに関する賃貸借契約を解除するための規定を設けておくことが検討できます。
アクセルサーブ法律事務所は不動産・建設法務に特化しており、契約書の作成段階からのサポートが可能です。サブリースについて相談できる弁護士をお探しの際は、アクセルサーブ法律事務所までお問い合わせください。
サブリースについて相談できる弁護士ならアクセルサーブ法律事務所にご相談ください
サブリースに関する賃貸借契約の解約などについて相談できる弁護士をお探しの際は、アクセルサーブ法律事務所へご連絡ください。最後に、当事務所の主な特長を3つ紹介します。
- 不動産・建設法務に強い
- 業界実態を踏まえた実践的なアドバイスを得意としている
- トラブルを防ぐ「予防法務」に力を入れている
不動産・建設法務に強い
アクセルサーブ法律事務所は不動産・建設法務に特化しており、豊富なサポート実績を有しています。業界において生じやすいトラブルや取引慣習などを熟知しているため、より的確なサポートが提供できます。
業界実態を踏まえた実践的なアドバイスを得意としている
法的に正しいことと経営として望ましいことは、一致しないこともあるでしょう。とはいえ、法令を軽視してしまえば顧客から損害賠償請求をされるなど、足をすくわれる事態ともなりかねません。
アクセルサーブ法律事務所は不動産業における経営実態を深く理解したうえで、法的なルールは守りつつ、その先の「事業のさらなる発展・目標達成」をも重視した実践的なアドバイスを提供します。
トラブルを防ぐ「予防法務」に力を入れている
トラブルが起きてしまうと、たとえ最終的に解決に至ったとしても、時間や労力、心理的な負担が生じる可能性が高いでしょう。多くのトラブルは、事前の対策を講じることで回避できます。
アクセルサーブ法律事務所はすでに生じているトラブル解決のサポートのみならず、トラブルを未然に防ぐ「予防法務」にも力を入れています。紛争の起きない環境を提供することこそが、当事務所の使命であると考えているためです。
まとめ
サブリースの概要やサブリースに関する賃貸借契約の解除を申し入れられた場合の流れ、解約に関するトラブルを避ける対策などを解説しました。
サブリースにまつわるトラブルは、少なくありません。トラブルの多くは、不動産オーナーがサブリースのリスクを十分理解しないまま契約したことによるものです。サブリースに関する賃貸借契約を締結する不動産会社が、よい面ばかりを強調した結果であることも多いでしょう。
サブリースでトラブルを避けるには、契約締結時の十分な説明や契約書の作り込みがカギとなります。サブリースでのトラブルを避けたい場合には、契約の締結段階から弁護士のサポートを受けることをおすすめします。
アクセルサーブ法律事務所は不動産・建設法務に特化しており、サブリースに関する賃貸借契約の解約に関するトラブルについても豊富なサポート実績を有しています。サブリースに関する賃貸借契約の解除についても相談できる弁護士をお探しの際は、アクセルサーブ法律事務所までお気軽にご相談ください。単発でのご相談・ご依頼のほか、顧問契約にも対応しています。

