追加工事の報酬は請求できる?トラブルを避ける対策を業者向けに弁護士がわかりやすく解説

工事の請負にあたっては、追加工事が生じることが少なくありません。追加工事については口頭で発注されることもあり、報酬の請求でトラブルとなるケースが散見されます。
では、追加工事の報酬は当然に請求できるのでしょうか?また、追加工事の報酬請求でトラブルとならないためには、どのような対策を講じれば良いのでしょうか?今回は、追加工事に関する報酬請求の可否や、追加工事の報酬請求がトラブルに発展しやすい理由、追加工事の報酬請求でトラブルを避けるポイントなどについて、弁護士がくわしく解説します。
なお、当事務所(アクセルサーブ法律事務所)は建築・不動産業界に特化しており、追加工事の報酬請求にまつわるトラブルについても豊富な解決実績を有しています。追加工事の報酬請求でお困りの際は、アクセルサーブ法律事務所までお気軽にご相談ください。
追加工事とは?
追加工事とは、当初の請負契約締結後に追加で発生する工事のことです。追加工事が発生した際に改めて契約書を交わす場合もある一方で、口頭やメールなど簡易な方法で受発注がなされることも少なくありません。
追加工事が発生する主な原因は、「施主による要望」と「予期せぬ事態の発生」です。ここでは、それぞれの概要を解説します。
施主による要望
施主による要望により、追加工事が発生する場合があります。
たとえば、住宅の新築工事において、契約締結後に棚やコンセント口などの追加を求められる場合などです。また、工場の外壁塗装工事を請ける中で、「ついでに屋根も修繕してほしい」と依頼される場合などもこれに該当します。
予期せぬ事態の発生
工事契約の締結後、予期せぬ事態が発生することで追加工事の必要性が生じることもあります。
たとえば、トイレのリフォーム工事をするために便器を取り外したところ、契約当初には予期できなかった配管の腐食が発覚し、配管の取り換え工事が追加で必要となる場合などです。また、建物を建築するために基礎部分を掘り返したところ、契約当初には予期できなかった残置物の存在が発覚し、これを取り除くための工事が追加で生じる場合もこれに該当します。
追加工事の費用は請求できる?
追加工事の請負について合意が成立していれば、追加工事の費用も請求できることが原則です。また、口頭やメールなどでの合意であるからといって契約が成立しないわけではありません。
一方で、現場の判断で施主の合意を得ることなく追加工事を行ったり追加工事の費用について施主と合意ができていなかったりすれば、請求をした報酬を支払ってもらえずトラブルとなる可能性があります。
追加工事の報酬請求でトラブルとなりお困りの際や、追加工事に関してトラブルにならないための対策を講じたい際などには、アクセルサーブ法律事務所までご相談ください。
追加工事の報酬請求でトラブルになる主な原因
冒頭で触れたように、追加工事の報酬請求でトラブルとなるケースは散見されます。ここでは、追加工事の報酬請求がトラブルとなる主な原因を3つ解説します。
- 現場の判断で無断で追加工事をしたから
- 追加工事の合意を口頭で行い、証拠がないから
- 当初の契約で、工事範囲が明確になっていなかったから
現場の判断で無断で追加工事をしたから
予期せぬ事態が発生した場合、現場の判断で追加工事をする場合もあります。
しかし、事前に施主の合意を得ることなく無断で追加工事をした場合、事後報告では報酬請求について納得が得られず、トラブルとなる可能性があります。
追加工事の合意を口頭で行い、証拠がないから
当初の工事請負契約は書面で交わす一方で、追加工事については口頭のみで合意をする場合もあります。
しかし、その場合には後から「追加工事をするなんて聞いていない」「追加工事については聞いたものの、その報酬がこれほど高いとは聞いていない」などと主張され、追加工事の報酬請求にあたってトラブルとなる可能性があります。
当初の契約で、工事範囲が明確になっていなかったから
当初の工事請負契約で、工事範囲や工事の仕様が明確になっていない場合もあります。
しかし、その場合には施主から「追加工事ではなく当初の契約の範囲内なので、報酬額も当初から変わらないはず」などと主張され、追加工事の報酬請求にあたってトラブルとなる可能性があります。
追加工事の報酬請求でトラブルを避ける主な対策
追加工事の報酬請求に関するトラブルを避けるには、どのような対策を講じれば良いのでしょうか?ここでは、トラブルを避ける主な対策を4つ解説します。
- 当初の契約時点で、追加工事が生じ得るケースや報酬が別途かかることを例示して説明する
- 当初の契約時点で、工事範囲を明確にする
- 現場判断での追加工事を避け、追加工事をする前に施主と合意をする
- 追加工事の報酬について合意したら、書面に残す
なお、アクセルサーブ法律事務所はトラブル発生時の対応のみならず、トラブルを避ける予防法務にも力を入れています。追加工事の請求についてトラブルとなる事態を避けたいとお考えの建設業者様は、アクセルサーブ法律事務所までお気軽にご相談ください。
当初の契約時点で、追加工事が生じ得るケースや報酬が別途かかることを例示して説明する
対策の1つ目は、当初の契約を締結する時点で、追加工事が生じ得るケースや報酬が別途かかることを例示して丁寧に説明しておくことです。
施主によっては、「当初提示された金額以外に追加料金がかかることはない。もし途中で不測の事態が生じても、業者さんはプロなので金額の範囲内で対処してくれる」と考えている可能性もあります。しかし、実際には不測の事態が生じ、追加料金が必要となる場合もあるでしょう。このようなことを事前に説明しておかなければ、追加工事の報酬を支払ってもらえない可能性があるほか、「詐欺である」などと捉えられてしまうかもしれません。
事前に、「トイレの配管の状態は実際に見てみなければわからないので、もし配管が腐食していれば交換する工事が必要となる可能性がある。その場合には、追加料金がかかる」などと丁寧に説明し、可能な限り予想される追加料金の額についても説明しておくことで、いざ追加工事が発生した際に納得してもらいやすくなります。
当初の契約時点で、工事範囲を明確にする
対策の2つ目は、当初の契約の時点で工事範囲や仕様を明確にすることです。
当初の工事契約の範囲や仕様が曖昧であると、当初合意した報酬で「どこまでの工事をするのか」が不明瞭となります。この場合、追加工事の報酬請求について納得してもらえない可能性が生じます。
そのような事態を避けるため、当初の契約において、当初取り決めた金額内で施工する工事の範囲や仕様を明確にしておくことをおすすめします。金額内で施工する工事の範囲や仕様を明確に定めることで、その工事範囲や仕様から外れた追加工事分について追加報酬が発生することの納得が得やすくなります。
現場判断での追加工事を避け、追加工事をする前に施主と合意をする
対策の3つ目は、現場判断での追加工事を避け、追加工事をする前に施主と合意をするよう社内ルールとして取り決めることです。
追加工事の事後報告は、追加工事にまつわるトラブルの最大の原因であるといえます。追加工事の必要性が生じた際は、まず施主に追加工事が必要となった原因や事実関係を丁寧に伝えましょう。そのうえで、追加工事によって生じる追加報酬の請求額や追加工事によって工期が延長する旨などについて合意を得てから、追加工事を開始する流れとします。
追加工事の報酬について合意したら、書面に残す
対策の4つ目は、追加工事の報酬などについて合意したら、きちんと書面で残すことです。
そもそも工事請負契約について契約書を交わすことは建設業法に定められた義務であり、追加工事についても例外ではありません(建設業法19条1項、2項)。追加工事の合意について書面を取り交わすことは建設業法の遵守において必要であるのみならず、報酬請求のトラブルなどから自社の身を守ることにもつながります。
追加工事によって追加で生じる報酬額や、追加工事が必要となったことに伴う工期の伸長などについて書面を取り交わすことで、「言った・言わない」などのトラブルを避けやすくなります。また、万が一追加工事分の請求を支払ってもらえない事態が生じた際にも、支払い督促などの方法による回収がしやすくなるでしょう。
追加工事の報酬請求に関するよくある質問
続いて、追加工事の報酬請求に関するよくある質問とその回答を2つ紹介します。
追加工事の合意は、口頭でも有効?
追加工事の合意は、口頭であっても有効です。しかし、口頭のみの合意では、後から認識の齟齬が生じたり、「聞いていない」と主張されたりしてトラブルになるおそれがあります。
そのため、追加工事の合意は口頭のみではなく、書面で取り交わすことをおすすめします。
追加工事の報酬が支払ってもらえない場合の対応は?
追加工事に対する報酬を支払ってもらえない場合はまず弁護士に相談し、具体的な状況に応じた対応策を練ることをおすすめします。
一般的には、まずは弁護士名義で内容証明郵便を送って請求することが多いでしょう。この段階でも支払ってもらえない場合には、裁判所から支払いを督促してもらう「支払督促」や、訴訟を提起して解決をはかります。
最適な対応方法は状況によって異なるため、アクセルサーブ法律事務所までお気軽にご相談ください。
追加工事の報酬請求でのトラブル予防は、アクセルサーブ法律事務所にお任せください
追加工事の報酬請求でのトラブル予防や、トラブルが発生している場合の対応は、アクセルサーブ法律事務所までご相談ください。最後に、当事務所の主な特長を3つ紹介します。
- 建築・不動産業界に特化している
- 予防法務に注力している
- 建築業界の実態を踏まえ、実践的なアドバイスをする
建築・不動産業界に特化している
アクセルサーブ法律事務所は、建築・不動産業界に特化しています。
建築業界は当事務所の代表である小澤が幼い頃にあこがれた業界であり、「人情と尊敬」がある素晴らしい業界です。しかし、契約書の整備など法的な面が軽視されやすく、トラブルに発展しやすいと感じています。
そこで、「正しい人情」に「法律の正しい使い方」を丁寧に持ち込むことで、建設業・不動産業の方々にもっともっと光っていただける未来を目指し、これらの業界にサポートの主軸を置いています。
予防法務に注力している
アクセルサーブ法律事務所は、トラブルが生じてからの対応のみではなく、トラブルを避けるための「予防法務」にも注力しています。これは、当事務所の最終的なゴールが「助け合い、称え合い、共に成長し、喜び合う―それが当たり前の世界を創る」にあるためです。
トラブルを予防するには書面の整備などが必要であり、面倒であると感じるかもしれません。しかし、トラブルの予防策をしっかりと講じることでトラブルが生じる事態を避けやすくなり、安心して本業に注力しやすくなります。
建築業界の実態を踏まえ、実践的なアドバイスをする
法的に正しいことと事業として望ましいことは、一致しないこともあるでしょう。事業を経営するうえいずれか一方だけに傾くことはリスクであり、両者のバランスをとっていく必要があります。
アクセルサーブ法律事務所は、法的なルールは守りつつ、その先の「事業のさらなる発展・目標達成」を重視した実践的なアドバイスを提供します。
まとめ
追加工事の報酬請求の可否や、追加工事の報酬請求がトラブルに発展する主な原因、追加工事の報酬請求でのトラブルを避ける対策などを解説しました。
追加工事の報酬請求にまつわるトラブルは、少なくありません。その原因としては、追加工事が現場判断でなされる場合があることや追加工事の受発注が口頭のみでなされる場合があること、当初の契約で工事範囲が明確になっていないことなどが挙げられます。
追加工事の報酬請求にまつわるトラブルを避ける対策としては、当初の契約段階で工事の範囲・仕様を明確にすることや、現場判断での追加工事を避けること、追加工事の必要性が生じた時点で変更事項について書面を取り交わすことなどが有効です。まずは弁護士に相談したうえで、社内体制を見直してみると良いでしょう。
アクセルサーブ法律事務所は建築・不動産業界に特化しており、追加工事の報酬請求にまつわるトラブル対応についても豊富な解決実績を有しています。追加工事の報酬請求でトラブルに発展してお困りの際や、追加工事の報酬請求でトラブルにならないための予防策を講じたい場合などには、アクセルサーブ法律事務所までお気軽にご相談ください。


