【2026】建設業法に違反した場合の罰則は?弁護士がわかりやすく解説

建設業を営む場合、その他の法令に加えて「建設業法」も遵守しなければなりません。
では、建設業法には、主にどのようなルールが定められているのでしょうか?また、建設業法に違反すると、どのような罰則の対象となるのでしょうか?今回は、建設業法の主なルールや違反した場合の罰則などについて弁護士がくわしく解説します。
なお、当事務所(アクセルサーブ法律事務所)は建設・不動産法務に特化しています。建設業法違反を避けるための社内体制整備に関するサポートをご希望の際や建設業法に違反してしまい対応でお困りの際などには、アクセルサーブ法律事務所までお気軽にご相談ください。
建設業法とは?
建設業法とは、建設業を営む人や会社が守るべきルールを定めた法律です。
建設工事が適正に施工されなければ、安全性が損なわれかねません。そこで、建設業法では建設業を営む人や会社の資質の向上や建設工事の請負契約の適正化などに関するルールを定めて、適切な施工の確保や発注者の保護などをはかっています(建設業法1条)。
建設業法の主なルール
建設業法では、建設工事の適正化などをはかるためにさまざまなルールが定められています。ここでは、建設業法の主なルールについて概要について解説します。
- 建設業許可に関するもの
- 請負契約に関するもの
- 技術者の配置に関するもの
- 下請保護に関するもの
建設業許可に関するもの
建設業法では、建設業許可に関する定めがされています。一定額以上の工事を請け負うには、建設業許可を受けなければなりません。
建設業許可には、一般建設業許可のほか、「元請として工事を請けて1件の工事あたり計5,000万円(建築工事業の場合は8,000万円)以上の工事を下請けに出す」場合に必要となる特定建設業許可があります。
また、原則として都道府県知事の許可を受けることとなるものの、複数の都道府県に営業所を構えるのであれば、国土交通大臣の許可を受けなければなりません。
さらに、「建築工事業」や「大工工事業」など、工事を請けたい業種ごとの許可が必要です。
建設業の許可区分はやや複雑であり、「1つの許可を取ればどんな工事でもできる」というわけではないため注意が必要です。
請負契約に関するもの
建設業法では、請負契約に関するルールが定められています。たとえば、工事の受発注をする際は契約書の締結が必要とされています。取り交わす契約書には、工事内容や請負代金の額など所定の事項を記載しなければなりません。
技術者の配置に関するもの
建設業法では、技術者の配置に関するルールが定められています。建設工事を施工する際は、一定の技術者を現場に配置しなければなりません。
また、一定の場合には技術者が複数の現場を掛け持ちすることは認められず、専任が必要とされます。
下請保護に関するもの
建設業法では、下請保護に関するルールが設けられています。下請代金の支払い期限などについて定められているため、一読しておくとよいでしょう。
建設業法に違反した場合の罰則・ペナルティ一覧
建設業法に違反した場合、どのような罰則やペナルティの対象となるのでしょうか?ここでは、建設業法に違反した場合に適用される可能性がある罰則やペナルティの全容を解説します。
- 刑事罰
- 指示処分(業務改善命令)
- 営業停止処分
- 許可取消処分
刑事罰
建設業法に違反すると、刑事罰の対象となる可能性があります。刑事罰とは、刑事裁判を経て有罪判決が下った際に科せられる罰則のことです。
具体的な刑事罰には、次のものなどがあります。
- 拘禁刑:刑事施設に収容される刑罰。刑務作業が課されることもある
- 罰金刑:1万円以上の金銭の支払いを命じる刑事罰
なお、有罪判決が下っても「執行猶予(しっこうゆうよ)」がつくこともあります。執行猶予とは、一定期間を問題なく過ごすことで、刑の言い渡しの効果が消滅する制度です。
指示処分(業務改善命令)
建設業法に違反すると、指示処分の対象となる可能性があります。指示処分とは、建設業者に何らかの問題があると判断された際に、都道府県知事などの行政庁から問題を是正するよう求められるものです。
指示に従わない場合には、営業停止処分などの対象となります。
営業停止処分
建設業法に違反すると、営業停止処分の対象となる可能性があります。営業停止処分とは、一定の期間中、営業することを禁じる処分のことです。営業停止の期間は最大1年間であり、実際には違反の内容などに応じて60日や30日、7日、3日などと定められます。
営業停止処分を受けたにもかかわらずその期間内に営業をすると、刑事罰や許可取り消し処分などの対象となります。
許可取消処分
建設業法に違反すると、許可取消処分の対象となる可能性があります。許可取消処分とは、建設業許可を取り消す処分のことです。
なお、建設業許可が取り消された場合、すぐに許可を取り直すことはできません。改めて建設業許可を申請するには、取消しから少なくとも5年の期間を空ける必要があります(建設業法8条3号)。
【ケース別】建設業法に違反した場合の罰則
建設業法に違反した場合、具体的にどのような罰則が適用される可能性があるのでしょうか?ここでは、違反の内容別に罰則の例を紹介します。
必要な許可を受けずに建設工事を受注した場合
必要な許可を受けずに建設工事を受注することは、無許可営業に該当します。この場合には、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象となります(同47条1項1号)。また、これらの刑は併科される(両方が科される)こともあります(同2項)。
法人である場合には、法人にも1億円以下の罰金刑が課される可能性があります(同53条1号)。
虚偽の申請で建設業許可を取得した場合
虚偽の申請により建設業許可を取得した場合、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象となります(同47条1項5号)。また、これらの刑は併科される(両方が科される)こともあります(同2項)。
加えて、法人にも1億円以下の罰金刑が課される可能性があります(同53条1号)。
名義貸しをした場合
名義貸しをした場合、6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象となります(同50条1項1号)。また、これらの刑が併科される(両方が科される)こともあるほか、法人も同額の罰金刑の対象となる可能性があります(同2項、同53条2号)。
なお、建設業法における名義貸しとは、許可を受けるために必要な「経営管理責任者」や「専任技術者」が実際には自社に常駐していないにも関わらず、常駐していると嘘をついて許可を取得することを指します。
「経営管理責任者」や「専任技術者」となるためには一定の要件を満たす必要があるため、自社の役員や従業員の中に要件を満たす人がいない場合に名義貸しを検討する場合もあるようです。しかし、名義貸しは重大な法令違反であるうえ、刑が確定すれば以後5年間は許可が取れなくなるため絶対に行うべきではありません。
技術者を適正に配置せずに工事を行った場合
技術者を適切に配置しなかった場合、100万円以下の罰金の対象となります(同52条1号)。法人にも、同額の罰金刑が課される可能性があります(同53条2号)。
なお、「100万円くらいの罰金なら、見つかったら払えばよい」などとは考えるべきではありません。なぜなら、たとえ罰金刑であっても刑が確定すれば建設業許可は取り消され、以後5年間は新規の許可を受けることもできなくなるためです。
請負契約書を交わさなかった場合
請負契約書を適切に取り交わさなかった場合、指示処分の対象となります。いきなり刑事罰が適用される違反ではないものの、指示に従わなければ営業停止処分や刑事罰の対象となり得るため注意が必要です。
一括下請負をした場合
一括下請負禁止の規定に違反した場合、指示処分の対象となります。指示に従わなければ、営業停止処分や刑事罰の対象となります。
なお、一括下請負とは、請け負った工事を自社が実質的に関与することなく下請企業に「丸投げ」をすることを指します。ただし、元請負人があらかじめ発注者から書面の承諾を得た場合、一定の工事については例外的に適法な一括下請負が可能となります。
建設業法違反の罰則について弁護士にサポートを受けるメリット
建設業法違反の罰則について弁護士にサポートを受けることには、多くのメリットがあります。ここでは、弁護士のサポートを受ける主なメリットを4つ解説します。
- 思わぬ違反を避けられる
- トラブルを予防しやすくなる
- 自信をもって業務に臨みやすくなる
- 営業停止の通知書などが届いた時点で適切な対応ができ、最悪の事態を回避しやすくなる
なお、アクセルサーブ法律事務所は建設・不動産業界の法務に特化しており、豊富なサポート実績を有しています。建設業法違反による罰則の適用を避けたい事業者様は、アクセルサーブ法律事務所までまずはお気軽にご相談ください。
思わぬ違反を避けられる
1つ目は、思わぬ違反を避けられることです。
建設業界では一定以上の規模でない限り、法務部門がなく法務専門の従業員もいないケースが多いでしょう。現場にも出ている社長自らが、事実上の法務を兼ねているケースも少なくありません。
そのような中で、建設業法を自社だけで研究して正しく理解するのは困難です。その結果、認識不足から建設業法に違反してしまっているケースもあるでしょう。
弁護士と顧問契約を締結するなどしてサポートを依頼することで、「これは大丈夫かな?」と迷った際にすぐに弁護士に確認することが可能となります。これにより、思わぬ違反をして罰則が適用される事態を避けやすくなります。
トラブルを予防しやすくなる
2つ目は、トラブルを予防しやすくなることです。
たとえば、建設業法は工事の受発注にあたって契約書を交わすことを求めていますが、契約書を取り交わす効果は建設業法の遵守につながることだけではありません。適切な契約書を交わすことは、「言った・言わない」の食い違いをなくすなどのトラブル予防にもつながります。
弁護士にサポートを依頼することで実態に即した適切な契約書の作成などが可能となり、トラブル予防も可能となります。
自信をもって業務に臨みやすくなる
3つ目は、自信をもって業務に臨みやすくなります。
建設業の許可の区分はやや複雑であり、ある許可を持っているからといってすべての工事が適法に行えるわけではありません。しかし、実際には「このような工事の引き合いがあったが、自社が持っている許可で適法に受けられるだろうか?」と、その判断に迷うことも多いでしょう。
そのような際、すぐに弁護士に相談して疑問を解消できれば、自信を持って業務に臨みやすくなります。また、適法であることがわかれば、同様の工事が請けられることをアピールして次の依頼につなげることも可能となるでしょう。
営業停止の通知書などが届いた時点で適切な対応ができ、最悪の事態を回避しやすくなる
4つ目は、営業停止の通知書などが届いた時点で適切な対応をとることが可能となり、最悪の事態を回避しやすくなることです。
建設業法への違反が疑われる場合、いきなり営業停止処分がなされることは一般的ではありません。原則として、まずは行政庁による立入調査や資料調査などがなされます。そのうえで、違反の疑いが強まれば報告徴収命令書や資料提出命令書、聴聞通知書などが送付されることとなるでしょう。
違反が疑われている時点で弁護士に相談して調査や通知に適切に対応することで、営業停止など最悪の事態を回避できる可能性があります。
建設業法違反の罰則に関するよくある質問
続いて、建設業法違反の罰則に関するよくある質問とその回答を2つ紹介します。
建設業法でもっとも罰則の重い違反は?
建設業法でもっとも罰則の重い違反は、無許可営業です。
無許可営業の罰則は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金刑です(同47条1項)。また、場合によってはこれらが併科される(両方科される)こともあります(同2項)。さらに、法人も1億円以下の罰金刑の対象となります(同53条1号)。
ほかに、営業停止処分に違反して建設業を営んだ場合や虚偽の内容で建設業許可を取得した場合などにも、同様の罰則の対象となります。
建設業法に違反して営業停止処分を受けた場合、営業停止期間中にこっそり工事を請け負ったらどうなる?
営業停止処分を受けている期間中にこっそり工事を請け負うことは建設業法に違反し、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金刑の対象となります(同47条1項3号)。
また、拘禁刑と罰金刑は併科されることもあります(同2項)。加えて、法人も1億円以下の罰金刑の対象となります(同53条1号)。
刑が確定すると、建設業許可の欠格事由(許可を受けられない要件)に該当するため、刑の執行を終えてから5年間は許可を取り直すこともできません(同8条8号)。
建設業法についても相談できる弁護士をお探しの際は、アクセルサーブ法律事務所までご相談ください
建設業法についても相談できる弁護士をお探しの際は、アクセルサーブ法律事務所までご相談ください。最後に、当事務所の主な特長を3つ紹介します。
- 建設・不動産業界に特化している
- トラブルを防ぐ「予防法務」を得意としている
- 業界実態を踏まえた実践的なアドバイスを得意としている
建設・不動産業界に特化している
アクセルサーブ法律事務所は建設・不動産業界に特化しており、豊富なサポート実績を有しています。法律的な知見だけではなく、これらの業界の商慣習やビジネス的な理解も踏まえたトラブル解決に力を入れています。
トラブルを防ぐ「予防法務」を得意としている
アクセルサーブ法律事務所は、「助け合う」「称え合う」「共に成長して喜び合う」ことが当たり前な社会となることを最終的な目標としています。そのため、起きてしまったトラブルに対処するだけではなく、トラブルを防ぐ「予防法務」にも力を入れています。
建設業法違反により罰則が適用される事態は、事前の対策によって避けられることがほとんどでしょう。「これは違反になるかな?」と迷った時点で当事務所にご相談いただいたり、建設業法を遵守するための体制整備を当事務所にご依頼いただいたりすることで、違反を未然に防ぎやすくなります。
業界実態を踏まえた実践的なアドバイスを得意としている
法的な正しさと経営として望ましいことは、一致しないこともあるでしょう。とはいえ、法律を軽視してしまえば違反によって罰則が適用され、事業の運営がままならなくなるかもしれません。
そこで、アクセルサーブ法律事務所は法律のルールを守りつつ、その先にある「事業のさらなる発展・目標達成」も重視したアドバイスを提供します。建設業界のビジネス的な理解も踏まえて「具体的にどうすべきか」をともに検討することで、最適解を見つけやすくなるでしょう。
まとめ
建設業法に違反した場合の罰則について解説しました。
建設業法に違反すると、違反の内容に応じて指示処分や営業停止処分、許可の取消し、刑事罰などの対象となります。また、許可が取り消されたり罰則の適用がされたりすれば、以後5年間は新たな許可申請もできなくなることに注意しなければなりません。
建設業法に違反すれば、事業に多大な影響が及ぶおそれがあります。そのため、違反をしないよう、迷った際に相談できる弁護士を見つけておくとよいでしょう。
アクセルサーブ法律事務所は建設・不動産業界に特化しており、顧問契約にも対応しています。建設業法への違反を避けるため、日頃から気軽に相談できる弁護士をお探しの際は、アクセルサーブ法律事務所までまずはお気軽にご相談ください。


